トンネルの横から登って行って、両側が石垣になった峠を越える。この峠から下ると村山の集落である。村山からは田んぼが広がる中を歩きて、その中を伊自良川が大きく蛇行して流れている。
伊自良川の左岸に渡って、土手の上の道を歩いて行くと、行く手には三角の屋根の建物が見えてきた。見た感じが温泉みたいなので、遠回りになるのだが寄ってみた。でも、これはJAの建物で、今日は婦人会の踊りの発表会があってごった返していた。がっかりして自然歩道に戻った。
土手から下って田んぼに中を東に向かう。行く手には低い山が連なっていて、この山に向かって歩いてゆく。一旦、車道に出て、これを歩いて行くと、「光団地」に入って行く。団地を抜けると山道に変わった。
だんだんと急な登りになって、ようやく才峠に登り着いたが、そこにはなんの標識もなかった。
峠を下って平坦になったところに休憩所があった。少し休憩。
竹やぶを抜けると、そこが本郷の集落であった。狭いけれども田んぼが広がる平坦地になる。
広い車道に出ると、自然歩道はこれを横切るのだが、車道を左に行くと畜産センターがある。ここまでの東海自然歩道指導標には畜産センターと書かれていることが多かったのだ。立ち寄ってもよかったのだが、この分岐からは1km以上離れている。なんかおっくうになって、そのまま自然歩道を進むことにした。
道は再び狭い山あいを行く。民家の間を歩いて、山あいを抜けると広い車道に出た。私の持っている2万5000分の一の地図にはない道で、新しくできた国道256号線なのだ。この国道を渡って左折すると酒屋さんがあった。今夜は、雪山を終えたお祝いをすることにして、酒を仕入れた。今夜は酒盛りだ。(一人だけど)
ここで道がわからなくなった。私の地図のルートと違う道を指導標は指しているのだ。悩んでしまう。自然歩道は道路の状態によってルートを変えることが多いのだが、それでもなんか大きく遠回りさせられそうで嫌な感じである。
自分が地図で見当をつけたルートを行くことにした。
街の中を細かに曲がって古い国道256号線に出る。この国道に沿って行くと三田洞弘法前のバス停に着いた。この少し手前で自然歩道が合流した。正規のルートに出会ってほっとした。
三田洞弘法前バス停から山の方に向かって歩いて行くと、立派なお寺がある。三田洞弘法「法華寺」である。今から1200年前に、弘法大師が諸国行脚の途中、この地で法華経の講座をされたのだそうで、嵯峨天皇の勅願所として「法華寺」の名がつけられたのだ。
境内に入ると、大きな岩が聳えていて、その前が大きな池になっている。
正面には石段が本堂に向かって真っ直ぐに伸びている。この池を配した庭園はすばらしくきれいである。ただ、山門を入ってすぐのところに立つ観音像は金ぴかで異様にケバい。まるで新興宗教の寺のようだ。
境内をゆっくり散策して、外へでるとすぐに三田洞神仏温泉がある。温泉に入れる!と大いに期待していたのだが、なんと今日は休館日なのだ。がっかりしてしまった。
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