ここからは明るい稜線の道を行く。一旦下って林道に出て、少し行くとベンチがあった。少し休憩。
すぐに林道から分かれて尾根の道を登る。
稜線をたどる道で、行く手には送電線の鉄塔が立つ頂きが見える。これが妙法ヶ岳である。標高667mで、この山を越えたら、その先は雪に悩まされるような標高の高い山はないはずである。でも、この最後の山の雪の状況が心配である。
アップダウンを繰り返して稜線の道を行くが、意外と雪は少ない。この調子なら雪に悩まされることはなさそうである。
606m峰に登りつくと、ベンチが置かれていた。ここには三角点もあった。
ここから道は左にカーブする。行く手には妙法師ヶ岳が迫ってくる。登山道が稜線からはずれて、632m峰の北側斜面をトラバースする。そこは完全に雪に覆われていた。おまけに、その雪道には樹木が、雪の重さで覆いかぶさっている。ものすごく歩きにくい。
進むにつれて雪が目立つようになって、広い稜線の雪原で3人の登山者とすれちがった。そのうち2人はズック靴であった。こんな装備で私が越えてきた雪道を行くつもりなんだろうかと、心配してしまった。
妙法師ヶ岳山頂に向かって急登するあたりからは雪がなくなった。…とはいえ、送電線をくぐるまでの急な登りはきつかった。
ようやく鉄塔に着いたのは11時半頃。ここまで来たら山頂は間近である。
妙法ヶ岳山頂は樹林に囲まれていて展望はきかない。山頂には私一人、雪はなくて三角点があった。
妙法ヶ岳山頂から一気に下ってゆく。こちら側は雪が少なくて、快適な下りであった。樹林の中をジグザグにどんどん下って行くと、下に御堂が見えてきた。「華厳寺の不動堂」である。お堂の奥には洞窟があって、その中で水が滴り落ちている。不動明王の石仏も祀られていた。
このあたりでは、完全に雪はなくなって、暖かな日差しに中、樹林の中を下って行く。すぐに奥の院についた。立派な御堂である。この「奥の院」とういのはこの先にある谷汲山華厳寺の奥の院なのだ。お堂の前には石仏があった。そのお顔がすごくきれいだった。奥の院の前の道には石灯籠が並んでいる。
さらに下って行くと、沢の流れに沿うようになって、岩壁から流れ落ちる滝があった。名前の標識はないので無名の滝である。
この無名の滝のすぐ先に華厳寺への分岐がある。華厳寺は西国三十三ヶ所の最後の札所で、是非寄ってみたかったのだが、この分岐から1kmの道を下らなければいけないので止めてしまった。私はいずれ、西国三十三所巡礼をするつもりなので、そのときに参拝すればいい。
分岐からそのまま進むと、再び華厳寺への分岐があった。ひたすら、先をめざす。
また登りの道になった。
淀坂峠を越えなければいけないのだ。でも、雪がまったくないので気分は楽である。峠の手前には休憩所があった。ここで一休み、視界はきかない。
峠にはそうした指導標はないのだが、ともかくここから下りになるのだ。
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