東海自然歩道 岐阜の道.



白山展望台→松尾池→展望台→千鳥橋→長良川リバーサイドウェイ→下芥見→老洞峠→三つ池→天狗谷遺跡→寒洞池→日の出不動→車折神社→大安寺→白山神社

展望台から下ると松尾池でここには白川郷で有名な合掌造り民家がたっている。このコース一番のお勧めは展望台からの長良川と金華山の眺めなのだ。山頂には岐阜城を見ることができる。
長良川と金華山

 松尾湖から長良川展望台へ
朝、展望台からの眺め


松尾池の合掌造り民家


合掌造り民家


金華山の岐阜城

BACK 川内から百々ヶ峰


2006年39

朝、テントから外に出てみるとすばらしい展望である。昨日は見えなかったのだが、遠くには雪の御嶽山が見える。振り返ると百々ヶ峰が間近に聳えている。展望台にテントを張ってよかったと思った。
720分に出発。
車道を渡って急な道を下る。樹林の中を下って行くと車道に出る。自然歩道は再び山を越える道に入るのだが、その前に「松尾湖」に寄って行こうと思う。この池の畔りには世界遺産白川郷で有名な合掌造りの民家が建っているのだ。心配なのは私のガイドブックは30年前のもので、今は朽ち果ててしまっているかもしれないということだ。車道を下ると、右に池が見えてきて、ちゃんと合掌造りが建っていた。絵になるではないか。
写真のビューポイントを探すために、池に沿って歩いてゆく。池の向こうに東屋があるのだが、そこには三脚をたてたひとが頑張っていた。水鳥の撮影か、観察をしているのだろうと思う。

この合掌造り民家は観光用の食事処なのだが、今はまだ朝早いので営業していなかった。
分岐に戻って山に向かって登ってゆく。かなりきつい登りで、私は鞍部を越えるだけだと思っていたのだが、まさしく一つのピークを越えるのである。そのピークに「長良川展望台」があると思っていたら、そうではなくて少し下ったところにあるのだ。
この展望台からはすばらしい眺めが広がっていた。すぐ真下には長良川が滔々と流れていて、その川の向こうには鋭い三角峰の上に建つ岐阜城が見えるのだ。岐阜城のたつ山が金華山である。この城は美濃のまむしと呼ばれた斉藤道三によって築かれた城である。道三は一油商人から美濃の国を乗っ取って美濃国主となったのだが、家督を譲った我が子義龍によって攻め殺されるという壮絶な一生を送る。このあたりの話は司馬遼太郎の「国取り物語」が面白い。
道三の頃、この城は稲葉山城と呼ばれたのだが、織田信長が天下布武にあたって、名を岐阜と改めたのだ。



 下芥見駅へ
古津バス停


千鳥橋を渡る


土手の上に出る


最初のトンネルは中を歩く


二つ目の祇園山トンネル前から登る


下芥見駅

展望台から急な道を下ると車道に出る。小さな川の畔に自然歩道の案内板があった。ここからは車道歩きで、長良川に向かってひたすら歩くのだ。
ぼうっ歩いていたので指導標を見逃してしまった。本当は途中から左に入って、集落の中を抜けて長良川の畔りに出るのである。私は広い車道を歩いてしまったため、長良川にぶつかったその先は、車の往来の激しい県道を行かなければいけなかった。車通行が多いのに歩道部分がついてなくて、歩いていて気が気ではない。
古津のバス停を過ぎると行く手には千鳥橋が見えてくる。その手前に天皇陛下鵜飼観覧の記念碑が立っていた。ここには誰の歌なのかわからないのだが歌碑があった。
  日の本の はじまりてより ためしなき
   みかどの鵜飼 たのしげにこそ

長良川といったら鵜飼なのだが、この鵜飼の歴史は驚くほど古くて、日本書紀や万葉の頃に始まっているのだ。鵜船は6艘で構成されていて、1艘に鵜匠と中鵜匠、船夫が2人乗る。私は残念ながら実際にこの鵜飼を見たことはない。

でも、鵜がなにかしらかわいそうな気がしてならないのだ。せっかく鮎を飲み込んだ鵜の首をしめて、その鮎を吐き出させるのだから。芭蕉の句
  面白うて やがて悲しき 鵜船かな
にはうんと納得してしまうのだ。

私が今歩いている県道は、ループで一段高い千鳥橋に登って行くのだ。でも、歩行者用の階段があったので、これを登って橋の上に出た。
橋には歩道がついていて、その途中に展望するスペースも設けられていた。長良川は大きな川だと思う。そしてすぐ向こうに聳える金華山の眺めがすばらしい。
橋を渡りきったところで右折して川に下り、歩いてきた千鳥橋の下をくぐって、長良川沿いに歩いてゆくのだ。
左に長良川の悠々とした流れを眺めながら歩いて行くと、険しい岩の崖の下を通り土手の上に出る。そこにはきれいな公園が作られていた。
この公園を抜けると、自然歩道は「長良川リバーサイドウェイ」という有料道路に沿って作られたサイクリングロードを行く。
有料道路には途中トンネルが2つあって、一つ目はトンネルの中を歩いた。2つめは山越えをしようとしたのだが、道は有料道路の反対側に出るだけのものだったので、引き返してトンネルを抜けた。ところがこれは間違いであった。地図で確認すると山越えで有料道路の反対側に渡るのが正しいのだ。
山を越えて下るとそこに神社があって、地図の通りなのだが指導標がない。もしかしたらルートが変更になったのかもしれない。でも、下芥見の町から山あいの道に入って老洞峠を越えるというのはわかるので、ここからは指導標をあてにせずに、地図を見ながら歩くことにした。
民家の中、細い道を歩いてゆく。磁石で方向を確認しながら細かな曲がりを繰り返していったら、どんぴしゃり、下芥見の駅の横の踏み切りに出た。
でも、この名鉄美濃町線は廃線になっていた。



 天狗谷遺跡へ
芥見1の交差点


りっぱなゴミ焼却所


老洞峠


三つ池


天狗谷遺跡

下芥見駅の踏み切りを渡ると国道248号線に出て、そこにはガストやサークルや家電量販店などが並んでいた。サークルで肉まんを食べて朝食とした。横断歩道で国道を渡って、山に向かって歩いてゆく。
和光団地のあたりには古びた自然歩道の指導標があった。ようやく本来の自然歩道ルートに合流できて、ほっとした。
山あいの道をゆるやかに登ってゆくと、すばらしく立派な建物が見えてきた。これはゴミ焼却所なのだ。この前を通り、さらに行くと山に登って行く道がある。これは車両通行禁止になっているので、
車を気にすることなく歩くことができる。
つづら折れのアスファルトの道を登って老洞峠を越える。峠には権現山の登山口があった。権現山は標高317mで、峠からは近いので登ってみたくなったが先を急ぐ。峠から下って行くと集落があって、これを過ぎると広い車道に出る。この車道を横断歩道で渡ったところに、もう一つ細い道がある。自然歩道はこの道を北の山に向かって登ってゆくのだ。
この交差点で休憩しながらお裁縫をした。ウェストバッグのベルトがほころんでとれそうになっていたのだ。
100円ショップで買ったバッグなので惜しいとは思わないのだが、これに地図やガイドブックを入れているので、ないと不便なのだ。
舗装された道を山に向かって歩いて行くと、左に古墳があった。石室がむき出しになった小さな古墳である。
道は林の中を行くのだが、しだいに右にカーブしていって、東に向うようになる。そこに池があった。三ツ池といって、道に沿って3つの池が並んでいるのだ。その池では釣り糸を垂れている人がけっこう多い。ここには古代窯跡の説明板があった。須恵器が出土するのだという。
道が下りになると、しだいに開けてきて福祉の里にが見えてた。その手前は道に沿ったきれいな公園になっていて、東屋もいくつかたてられている。ここにテントを張ったら快適だろうと思うのだが、さらに先に進む。
国道243号線に出たところで右折して、少しだけこの国道を歩く。
国道から左折するとすぐに「天狗谷遺跡」である。最近整備された遺跡のようで、急な石段を登ると村の集会所のような建物があった。この前面がガラス張りで、覗くと発掘の状態が保存されているのだった。美濃のあたりは須恵器の発掘が多いのだ。
この建物から一段下ったところに、須恵器の窯跡と古墳の石室が発掘保存されている。
東屋があったので、そこでパンを食べたりして休憩した。



 日の出不動から車折神社へ
寒洞池を巡る遊歩道



各務原公園の古民家


日の出不動


車折神社


テントを張った白山神社

遺跡を後にすると、すぐにため池があって、この畔りを歩いて樹林の中に入る。葉が落ちてしまった広葉樹林の道で、歩いていて気持ちがいい。途中には休憩施設もあった。
緩やかに下って行くと分岐がある。多分まっすぐだろうと思って直進すると、道は金網の塀でふさがれていた。戸がついていて中に入れるのだが、ゴルフ場の敷地になってしまうようでなので引き返した。
指導標に駐車場と書かれた方向に歩いてゆく。左手に大きな池が広がる。寒洞池である。池の畔をめぐって車道に出た。地図で確認すると、自然歩道は池の北側を通るはずなのに、私は南側を巡っているようだ。北側の池畔を見ると、東屋が見えて遊歩道が通っているようである。あのゴルフ場の金網の中を通って遊歩道に出るのが正しかったようだ。かなり遠回りをしてしまった。でも、池を周回していっても自然歩道に合流できるはずだから、のんびり行くことにする。

樹林の中の道を歩いて広い道に出た。この一帯は自然公園として新たに整備されたようで、いろんな遊歩道が張りめぐらされているのだった。緩やかに下って行くと広い芝生の公園に出た。「県営各務原公園」で、古い民家が建っていたりで、けっこう人が多い。
公園からさらに山に向かって登ってゆく。登りきったところで車道に合流して、そこからはこの車道歩く。
緩やかに下って行くのだが、沿道には○○不動尊というお堂がたくさん目につくようになった。新興宗教のような派手な幟がたくさんたてられている。
このあたりは何かの聖地のようになっているのだろうか。
目標にしていた「日の出不動」に着いた。さすがにこの不動尊は今まで見てきたような浮ついた感じはなくて、威厳を感じさせるたたずまいである。この日の出不動は山中不動・迫間不動とともに美濃三不動の一つなのだ。
境内には滝の行場もあって、急な石段が山の上まで続いている。疲れていたのでこの山の上に登るのはあきらめた。
日の出不動から少し行くと車折神社である。平安時代後期の学者、清原頼業が祀られていて、最近は進学の神様として受験生がお参りにくるらしい。鳥居をくぐって長い参道を本堂に向かうと、本堂の前には丸い石がたくさん積まれていた。石に願いごとを書いて奉納するらしい。驚いたことに本堂の柱には受験生の合格祈願の落書きがいっぱい書かれていた。罰アタリな…。
時間は17時を過ぎて、だいぶ薄暗くなってきた。さて、今日はどこにテントを張ろうかと思う。犬山の市街に入る手前に大きな池があるので、その畔に東屋がないだろうかと期待していた。大安寺の山門を右に見て、すぐに池が見えてきたがテントを張れるところは見あたらない。
地図をみると池の南に小高い山があって、その上に白山神社がある。この神社の境内にテントを張ることにした。自然歩道から離れて、神社に向かって登って行く。
うまくテントを張るスペースを見つけて、境内にテントを張った。
夜半からは雨になった。


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