国道121号線を横断して、細い路地を少し直進すると杉並木の裏道に出る。二万五千分の一の地図には「日光杉並木街道」と書かれているのだが、今市から分岐した会津西街道だと思う。今までは東に向かって歩いていたのだが、ここからは北上する。
杉の巨木が鬱蒼と茂っていて、その中を歩いて行く。杉の巨木の根本には馬力神とか馬頭観音と刻まれた碑がおかれていて、いかにも旧街道らしい。ある意味では整備されすぎた今市〜日光の杉並木よりもこの道の方が昔の面影をそのまま残しているのではないかと思う。
一旦、国道を横切って倉ヶ崎の集落に入る。ここも杉並木が続いて、その途中に「特別史跡
特別天然記念物 日光杉並木街道」という説明板があった。この杉並木は松平正綱候が寄進したもので、日光神橋を起点にして今市に至り、今市で日光例幣使街道・日光道中・会津西街道の三つに分かれるのだが、そのそれぞれに杉並木はつくられたのだ。
杉並木を歩いてT字路にぶつかる。ここで右折して大桑の集落の中を歩いて行くのだが、この交差点からは真っ正面に雪を頂いたりっぱな山が見えた。那須連山である。
集落の中を行くと「杉並木寄進碑」があった。これは昨日、今市の杉並木入口でみたものと同じものである。この寄進碑は全部で4つたてられていて、起点の神橋畔・日光街道(昨日見た今市にあったもの)・例幣使街道(今市の小倉)と、ここの会津西街道にあるのだ。
寄進碑のすぐ先で東武鉄道の線路を渡って、国道121号線に出る。この国道を200mほど北上してから、右折して県道の279号線に入る。右折せずに真っ直ぐに北上したら鬼怒川温泉で、日光江戸村や東武ワールドスクエアがあるのだが…。
田んぼの中の県道を歩いて行く。大渡へは川室の集落のあたりで左折しなければいけないのだが、その交差点がよくわからなかった。神社の鳥居があったので、地図と照らし合わせて位置が確認できた。
それでも本当にこの道でいいのか心配だったが、大日光工業団地入口の道路標識をみて間違っていないことを確信した。
朝はミゾレだったのに、この頃はすっかり晴れて青空が広がっている。暑いくらいになった。
道が右に折れると大渡の集落である。
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