16.アシそよぐ水辺のみち
このコースには天平時代の古寺、薬師寺跡があったりして、けっこう私の好きな道なのだ。弓削の道鏡がこの寺に流されていたとはちっとも知らなかった。
コース
祇園原→35分→安国寺(下野薬師寺跡)→5分→八幡宮・雷電神社→5分→龍興寺→40分→田川→1時間→鬼怒川(砂ヶ原橋)→30分→長沼八幡宮→15分→宗光寺→1時間→芳全寺→5分→下久保駅
合計4時間20分 歩行距離 21.0km

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199926

前の「ユウガオのみち」から続いて歩く。
このコースには、私の好きな古寺がいくつかあって、けっこう楽しみにしているのだ。
祇園原から国道を離れて東に向かう。
まず、たどり着くのが「下野薬師寺跡」、今は安国寺というのだ。
ふれあいの道は寺の裏手に着く。まず目についたのが六角の「戒壇院」である。白鳳時代に創建されたこの薬師寺は、「続日本紀」にも記される日本三戒壇院の一つなのである。東西
242m、南北342mの広大な寺域をもって、東国を統括する大規模な受戒、修行、祈願等の殿堂だったのだ。でも、今はわずかに礎石が残るだけである。
このお寺の山門を出ると、すぐに八幡宮がる。かつてはこの薬師寺の寺内社であったそうだ。
雷電社という神社を左に見て、並木の道を少し行くと龍光寺である。
境内はすごく広くて、その奥にぽつんといった感じで本堂がたっている。ここには弓削の道鏡の塚がある。古い巨木が聳えていて、その下にひっそりと塚があるのだ。
道鏡というのは奈良時代の人で、称徳女帝にとりいって天皇になろうとしたとんでもない僧侶なのだ。私がこの道鏡に興味をもってしまうのは、彼が呪術を駆使して朝廷に出入りするようになったもので、その呪術は山岳修験道のものであったらしい。役の行者が修行した大和の葛城山で修行をしたらしいのだ。こうした呪術の体系は、後に空海が真言密教として中国からもたらして統合されてしまうのだが…。その山岳修験道を学んだということに興味をもってしまうのだ。
この道鏡は、和気清麻呂のもたらした宇佐八幡宮の神託をもって、失脚することになる。その後どうなったか知らなかったのだが、この下野に流されていたのだ。これはこの寺を訪れて初めて知った。
龍興寺から30分ほど歩くと田川の河畔に着く。土手に沿って少し歩いて、それからこの川を渡る。1時間ほど歩くと鬼怒川で、この川にかかる大きな橋を渡った。そこからは鬼怒川に沿って続くサイクリングロードを行く。この道はこのコースの名前の通りの「アシそよぐ水辺のみち」なのだ。
黄金色のアシの茂みが続く川辺の道は、歩いていてすごく気持ちがいい。
川辺から離れてすぐのところにある「長沼八幡宮」は、けっこう大きな神社で、鳥居の向こうには朱塗りの山門がたっていた。
このすぐのところには宗光寺がある。この寺は天海僧正(徳川家康のブレーンだった)も住職をしていたという格式の高い寺で、驚いたことに「鬼の爪」が伝えられているのだ。
宗光寺からは、1時間ほど田んぼの中の道を歩く。関東平野らしさを感じるこうした道を歩くのは本当にすてきだ。国道294号線を横切ると芳全寺があった。長い杉並木の参道をたどって山門の前に着く。このお寺もりっぱな大寺で、境内には釈迦の坐像もあった。
このお寺の境内を抜ける今日の終点、下久保駅である。
ここに通じている鉄道は真岡線である。駅の構内に入って驚いたのはSLが停まっていたことである。この真岡線では休日にSLが走っているのだ。
モクモクと煙をはくSLはカッコいい。写真をたくさん撮ってしまった。
今日のコースはすばらしく楽しいコースであった。来週も続きを歩こう。


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祇園原の松林


戒壇院


安国寺本堂


龍光寺


長沼八幡宮


宗光寺


芳全寺




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