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5月4日(32日目)
前神寺までは国道から外れて、裏道を行く。途中に、すばらしく大きな石鎚神社があった。
前神寺に着いたのは16時15分。この手前に東屋があるはずなのだが、見つからない。私はその東屋でテントを張るつもりなのでないと困ってしまう。ともかく前神寺にお参りをしてしまうことにした。
納経を済ませて出ようとしたら、例のおばさんがやってきた。なんとか間に合ったと喜んでいた。納経は5時になると、ぴったり終わってしまうのだ。
前神寺の山門を出て国道11号線に出ると、そこには石鎚温泉がある。もちろん、温泉に入ることにした。今日は横峰に登ったのだから。
18時45分に温泉から上がってからは来た道を引き返して、今日泊まるつもりの東屋を探した。
しばらく探したのだがどうしても見つからない。
仕方がないので、JRの石鎚山駅に泊まることにした。
駅には自転車遍路のおじいさんがいた。ほとんどホームレスのような人で、もっている荷物がいかにも陳腐である。お湯を沸かしていたのだが、それは家庭用のカセットガスコンロを使っていた。
私はこの旅のなかで何年も遍路を続けている人に出会った。そういう人は遍路によって修行して、人間的に優れた人が多いのかと思うとそうではないのだ。もちろん、そういう遍路の人はいるのかもしれないのだが、残念ながら私はそうした優れた人に会うことはなかった。なぜだろうと考えている。どこかで、このことはじっくり考えてみたい。
私は、駅の外にテントを張って寝ることにした。
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