■高野山真言宗 ■開基/行基
■御本尊/十一面観音菩薩
伊予の国最後の札所である三角寺は標高450mの三角寺山の中腹にある。本堂には「安産御腹帯授与所」の札がかかっているが、これは本尊の十一面観音が安産・子育て・厄除けの仏さまだからである。
     ■64番前神寺から 45.0km
     ■愛媛県川之江市金田町三角寺甲75
     ■TEL 0896-56-3065


BACK 64番 前神寺


55日(33日目)

石鎚山駅を610分に出発。国道192号線をひたすら歩いて行く。
行く手には市街地が広がっている。伊予西条市である。
7時に加茂川を渡ったが、この加茂川橋にはお祭りの山車のミニチュアが飾られていた。
少し行くと
Joyfuiiがあった。今日の泊まりは延命寺の東屋の予定で歩行距離は27km、時間は余っている。このファミレスでゆっくりすることにした。
ドリンクバー付きで朝食が499円なのだ。9時までいて、日記を書いたり本を読んだりしていた。
今日はすばらしくいい天気で、ひたすら歩くにはぴったりの日である。
10時に国道11号線に入った。そこには国道192号線起点の標識が立っていた。遍路をしていて、国道の表示がひどく気になるようになっている。国道に100m毎の表示が置かれているのに気づいたのは遍路のおかげである。

国道11号線を歩き続け、11時に右の遍路道に入った。この道には「自由文庫」があるのだそうだ。通り過ぎてしまったのではないかと思った頃に、この文庫があった。
ここではのんびりと山の本や仏教に関する本を読んで1時間もすごしてしまった。冷たいお茶も準備してあって、これがうまかったのだ。
この旧街道はそうとうに長くて、国道11号線に合流したのは14時であった。ここから家並みを外れて、行く手には山が横たわっている。国道はこの山を越えるのだった。
ゆるやかに登って峠に着いたのは15時になっていた。この峠が新居浜市と四国中央市の境界線なのである。
峠からは遍路道は右に入るのだが、私はそのまま国道を歩いた。峠から下って行くと、東明石山登山口という道路標識を見つけた。2002年の八月に登った山である。すごくなつかしい。
行く手には大きな市街地が見えてくる。延命寺に着いたのは1640分。
東屋には先客がいて、かなりの遍路のベテラン。


56日(34日目)

夜半に雨の音。今日は雨になるんだろうかと思いながらも、ウトウトしていた。
5時半に起きると、雨は止んでいた。
雨具のズボンでザックカバーをつけて歩き始めたが、すぐの雨具は脱いでしまった。
7時に国道に出て、これを渡って旧街道を行く。40分ほど歩いて、再び国道に戻った。コンビニで買い物をしたかったのだ。ローソンで稲荷とビールを買って朝食にした。最近のビールは安くて、今はやりの第3のビールだと130円で買えてしまうのだ。普通のジュースを買うのとかわらないのだ。
ここからそのまま国道を歩き続けた。雨が降ったり止んだりしている。9時半頃、伊予三島の町に入った。その手前にガストがあって、雨もひどくなってきたので、雨宿り兼食事をすることにした。10時からの営業なのだが、外で雨宿りをしていたら、親切に中に入れてくれた。
ガストを出たのは11時、国道を離れて山側に向かう。
私が向かう次の札所は、再び山の上の寺なのだ。高速道路の高架を潜った突き当たりには、古い遍路道の石標がたっていた。
高速に沿って20分ほど歩いてから、いよいよ山に向かって登って行く。すぐに大きな公園があった。戸川公園というのだが、中にはりっぱな東屋がるのに、野宿禁止の張り紙があった。
ここから急な道を登って行く。集落の外れに分岐があったが、指導標がない。どっちへ行くか迷っていたら、住民からどっちでも行けると教えてもらった。
急な道を登って行く。遍路道は山道になって、樹林の中を急登する。
ようやく車道に出て、この道を1Kmほど行くと三角寺である。
駐車場から長い石段を登る。登りきったところに山門があって、そこには鐘が下がっていた。これを突いて、境内に入った。
納経所でとんでもない情報、今日泊まる予定にしていた「椿堂」の通夜堂は、いまはないのだそうだ。困った。最悪、佐野のバス停まで行くしかない。歩行時間が7km延びることになる。

三角寺を1345分に出発。雨がひどいので、ポンチョを被って出発した。
山襞に沿って蛇行して続く林道を歩いて行く。やっと人里にでると、そこが平山の集落で、ここには「ゆらぎ休憩所」がある。ここで雨具を脱いだ。
高速の高架を潜ってさらに行くと集落があって、ここに椿堂がある。1540分であった。納経所で確認したが、本堂を建て替えたときに、スペースがなくなって通夜堂はつぶしてしまったのだそうだ。

椿堂のホームページ

ガイドブックによると、この先、野宿できるのは佐野のバス停しかない。そうすると、ここからさらに7km歩いて佐野のバス停を目指すしかないのだ。
どんよりした雲が空を覆っているが、雨は止んでいる。ともかく佐野を目指して急ぐことにした。ここから佐野のあいだには「境目峠」が聳えている。名前の通り県境なのだが、それは愛媛県と徳島県の県境なのである。私は当然ここで香川県に入ると思っていたのだが、少しだけ徳島県を通って、次の札所の雲辺寺で香川県に入るのである。
椿堂の先で国道196号線に入って、この道をたどって峠を越える。峠のトンネルに着いたのは17時少しまえ。めちゃくちゃに疲れてきた。
1kmほどのトンネルを抜ける。ここが県境の境目峠である。
県境からは佐野の集落に向って下って行く。これがめちゃくちゃに長く感じた。

ところが、佐野の集落に入る前に、大宗谷というバス停があって、そこにプレハブの小さな小屋が建っている。ちゃんとドアもついている。中を覗くと、カーペットも敷いてあって、極めて快適そう。通りがかったおばあさんに泊まれるんだろうかと訊いたら、どうぞどうぞおいう返事。助かってしまった。これなら通夜堂に泊まるのとかわらない。
ラッキー。




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加茂川橋を渡る


192号線の起点


自由文庫の中


延命寺の東屋、ここに泊まった


延命寺の「いざり松」


伊予三島の石床大師堂


戸川公園の東屋。でも野宿禁止


山道から下を振り返る


三角寺石段の前に着いた


ゆらぎ休憩所


椿堂


大宗谷バス停、快適に泊まれる






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