千手院橋バス停→金剛三昧院→轆轤峠→円通律寺分岐→薄峠→御殿川→大滝集落休憩所→水ヶ峯集落跡→水ヶ峯休憩所

高野山から熊野古道小辺路の第一歩を踏み出す。高野山は観光客であふれているのだが、小辺路の入口、金剛三昧院からは静かな山道になって、轆轤峠からは高野山を取り巻く山々を一望できるのだ。
小辺路はよく整備されていて、ルートには休憩所がちゃんと設けられている。この日はその休憩所にテントを張った。

 高野山から薄峠へ

大阪駅御堂筋北口


極楽橋でケーブルカーに乗り換える


金剛三昧院の石柱門


轆轤(ろくろ)峠


薄峠

 →高野山 金剛峯寺

20101123

仙台8時発の夜行バスに乗って、大阪に着いたのは740分であった。予定では9時到着だったのにずいぶん早い。JR大阪駅から環状線で新今宮に向かう。外回りと内回りがあるのだが、間違えて天王寺行きに乗ってしまったため、天王寺で10分ほど待つことになった。
ようやく次の駅の新今宮に着く。ここで南海線の高野線に乗り換えるのだ。ところが今の時間、高野山に行く便は
時間に1本で、10分前に出たばっかりであった。特急に乗ったら早い便があるのだが、私は旅に出たは各駅停車に決めているのだ。(ただたんに貧乏なだけなのです…)
結局、本橋駅で30分以上待つことになって、極楽橋に着いたのは1036分、ここでケーブルカーに乗り換える。これは接続がスムーズで、すぐに出発した。ケーブルカーはすさまじく急な斜面を登って行く。ロープが切れたらどうしようかと、あらぬ心配をしてしまった。
山上の高野山駅に着くとバスが待っていて、すぐに出発した。千手院橋に着いたのは11時頃である。深夜バスが1時間以上早く着いてくれたのに、ほとんど予定と同じ時間になってしまった。
大通りから郵便局で右の路地に入って、緩やかな坂道を上って行くと金剛三昧院の石柱門に着く。この門の前で右に上って行く道がある。これが小辺路である。ちゃんと指導標がたっていた。これから山岳コースを踏破するのだ…と、気を引き締めた。
杉林の中を緩やかに上って行く。
15分ほどで樹林から抜け出すと、ここが轆轤(ろくろ)峠であった。なにかしら見たことがある…と思ったら、この春に楊柳山に登ったときに通過したところであった。
平坦になった林道を10分ほど歩くとY字路があって、この道には「高野山女人道」という指導標がたっていた。昔の高野山は女人禁制で、女性はこの道から中には入れなかったのだ。
この指導標のすぐ先に再び指導標がある。ここが円通律寺分岐で、春に登山に来たときはここから左に下って円通律寺に向かったのだ。小辺路はまっすぐに林道を行く。
緩やかなアップダウンが続き、展望が開けると高野山一帯の山を一望できる。本当に深山にいるという感じだ。
簡易舗装の道から左に地道が分かれていて、そこに指導標が立っている。ここが薄峠であった。1215分なっていた。



 大滝集落へ

御殿川を渡る


急坂を登る


大滝集落の休憩所


薄峠からはけっこう急な道を下って行くのだが、土の道なので歩きやすい。山襞に沿って下って行くと、
25分ほどで石標の前に着いた。弘法大師のレリーフがされていて、その下には道の距離が書かれている。
さらに急な下りは続く。道には落ち葉が降り積もっていて、これがクッションになって歩きやすいのだ。でも、ザックが重くて腰が痛くなってきた。
石標から15分ほど下ると橋の前に着いた。ここで御殿川を渡るのだ。橋は編み目になっていて、下が透けて見えるのだ。けっこう怖い。でも川の流れはきれいであった。
橋を渡ったら、すごく急な登りになった。この急坂の上に大滝の集落があるのだ。コンクリートで舗装されているのだが、すさまじく急である。濡れて苔むしているところではスリップしてしまった。慎重に登って行って、傾斜がゆるまったところには廃屋がった。こんな山の中では村を去る人も多いのだろうと思う。
さらに杉林の中を5分ほど登ると、広いアスファルト道に出た。ここでターンするようにして、この広い道を上って行くのだ。山襞に沿ってカーブを繰り返して登って行く。10分ほど登るとようやく集落の入り口に着いた。すぐに左に分岐があって、そこに小辺路公衆便所があった。きれいなトイレでウオッシュレットであった。トイレのすぐ先に東屋がたつ広場がある。時間は1325分、ここで休憩することにした。
寒いのでお湯を沸かしてポットに詰めた。今回の山行では防寒のためにダウンのジャケットを持ってきた。ユニクロで4000円で買ったのだが、これがすごくいい。何よりもすごくコンパクトになるのだ。買って正解であった。



 水ヶ峰の東屋へ

民家の軒先に出た


高野龍神スカイラインに出た


水ヶ峯入り口


この東屋にテントを張った


民家の横を通って、杉林の中を歩いて行く。鬱蒼とした林の中を
10分ほど行くと、民家の庭先に着いてしまって、これは行き止まりではないかと思ったが、その先に山道が見えた。
薄暗い杉林の中を登って行く。10分ほどで明るい赤松林になったがこれはわずかな間ですぐに再び杉林に入る。道は尾根の上を行くようになって、けっこう広いしっかりしたものになった。
林から抜け出すと、その先にアスファルト道があった。これは「高野龍神スカイライン」である。ここからはしばらくこの車道を歩かなければいけないのだ。

車に注意しながら車道を歩いて行くと、道ばたには奈良県と和歌山県の県境の標識があった。これで和歌山県に入ったのかと思ったらすぐにまた県境標識がある。これは何度も出てくるのだ。どうやら、県境に沿って車道は続いているようだ。
車道を35分ほど歩くと、ようやく小辺路の水ヶ峯入口の標識が見えてきた。入口には小辺路の大きな案内板が立っていた。
車道から離れて急な道を登って行く。この道はけっこう荒れていて、本当の山道であった
20分ほど登ると、広い林道に出る。ここからはこの林道を歩いて行くのだ。平坦な道を5分ほど行くと水ヶ峯集落跡の標識があった。でも、あたりにはその痕跡がまったくない。
ここから少し行くと大きな杉の木があって、その下にお地蔵様が傾いて置かれている。その後ろには墓石が並んでいて、これが水ヶ峯集落の墓地であった。
林道を15分ほど行くと、広いアスファルト道に出た。あとはこの車道を歩いて行くのだ。尾根に沿って道は続いていて、左側が開けている。幾重にも連なる山々の眺めがいい。25分ほど車道を歩くと、右に東屋がたつ広場があった。時間は1610分になっている。今日はこの東屋にテントを張ることにする。広場の奥は展望台で、スカイラインを眺めるころができた。


NEXT 水ヶ峯から伯母子岳へ

BACK 熊野古道 小辺路をゆく







熊野古道を行くTOP  総TOP My日本の山  My日本の道  日本の旅  私の写真館  自己紹介
















inserted by FC2 system