熊野古道を歩くことにした。

熊野古道とは紀伊半島にある熊野三山(本宮大社、速玉大社、那智大社)をめざす信仰の道なのだが、資料を調べてみると、思ったほど簡単でも単純でもないことがわかってくる。
ルートは全部で6つもあるのだ。これを全部歩こうと思ったら大変な時間と労力が必要になる。
まず、「紀伊路」がある。大阪の天満橋から紀伊半島の西海岸に沿って続く道で、紀伊田辺まで180kmの行程である。平安貴族が熊野詣出をするときは、京都から船で淀川を下って、八軒家船着場(現在の天満橋)に上陸し、ここから歩き始めたのである。このルートがもっとも古いという。
紀伊田辺からルートは二つに分かれる。熊野本宮大社に向かって、山に向かって登って行く「中辺路」と、紀伊半島の南端海岸線を行き那智大社を目指す「大辺路」である。中辺路がもっともよく利用される道で、世界遺産に登録されているルートでもある。
海岸沿いに行く道はもう一本ある。それは紀伊半島の東海岸を行く伊勢路である。伊勢神宮をスタートするこの道は山が海に迫っているために、いくつもの峠を越えることになる。
そして、険しい山の中を行く道が2本ある。その一つは去年(2009年)私が縦走した「大峰奥駆道」である。吉野から続くこのルートは修験者の行場であり、一部は今も女人禁制が守られているのだ。
そして最後が高野山から熊野本宮大社を目指す「小辺路」で、距離は短いのだが途中には伯母子岳や果無越えなどがあって、すさまじく険しいコースである。
一番険しい「大峰奥駆け」は終えたので、残りの5つのルートにチャレンジしたい。これを効率的に歩くために、いろいろ考えた。
まず、大阪天満橋から紀伊路を紀伊田辺まで歩いて、そこから中辺路に入って熊野本宮に至る。本宮大社から伊勢路に下る道は二つあるのだが、大雲取越えのルートで那智大社に下る。JR那智駅から列車で伊勢神宮まで行って、ここから伊勢路を歩き始める。
那智駅から先はそのまま海岸線の「大辺路」を歩いて、紀伊田辺まで歩く。
あとは、夏か秋に高野山から小辺路を歩いて熊野本宮大社まで、ここからは本宮道をたどって花の窟神社まで。これで全ルート踏破としたい。本当はまだ細かな分岐ルートがあるのだが、それはちょっと目をつぶってしまう。

(参考)熊野古道を歩くためのガイドブック

熊野古道が世界遺産に登録されてからはたくさんの本が発行されているのだが、私が目指すような、全コース歩いてまわる・九十九王子をすべて参拝したいという要求を満たす本は1冊しかない。(私の知る限りだが…)
それは山と渓谷社の「歩く旅シリーズ 熊野古道を歩く」である。全コースの案内文の他に、詳細な地図が登載されているのだ。私と同じような思いで熊野古道を歩こうという人には、絶対のお薦めです。


NEXT 熊野古道 紀伊路

BACK 熊野古道を行くTOP








熊野古道を行くTOP  総TOP My日本の山  My日本の道  日本の旅  私の写真館  自己紹介
















inserted by FC2 system