車がビュンビュン行き交う国道歩きが続く。橋から400mほど歩くと武州日野駅があった。
なんか国道歩きがイヤになったころ、ようやく「道の駅あらかわ」の標識が見えてきて、巡礼道は国道から左の道に入る。分岐したすぐのところに夜泣き石があった。なんの変哲もない石である。
左に道の駅を見えたが巡礼道は直進する。私は道の駅がけっこう好きなのだが、通過した。
巡礼道は舗装の車道なのだが、さすがに国道から離れると交通量も少ない。
少し行くと、道から一段上がったところに御堂があるのを見つけた。その前には巡礼道の札が下がっている。石段を上るとそれは薬師堂で、中には小さな仏像が置かれていた。市販された仏像にすぎないのだが、御堂の前には石仏が三体並んでいた。
車がほとんど通らない車道を歩いて行く。道は秩父鉄道に沿って続いていて、たまに電車が走って行く。前方に少し雪が見える山並みを見ながらのんびり歩いて行くと、線路の土手にカタクリ・ニリンソウの里と書いた説明板がたっていた。この線路の土手はカタクリが咲くらしくて立入禁止になっていた。もちろん花はまったく咲いていない。
ようやく30番札所とか書かれた道路標識が見えたのは29番から1時間45分ほども歩いてからである。ガイドブックの2時間というのは間違っていなかったようだ。
道端に「白久の串人形芝居」の説明板がたっていた。白久ではこうした人形芝居があったらしい。
深い谷にかかる橋を渡ると踏切である。踏切を渡るとすぐに白久駅があった。ここで電車の時刻を調べた。私は三峰口駅から電車で浦山口に戻らなければいけないのだ。
駅前で左の道に入って、坂道を上って行く。15分ほど行くと、道は工事の真っ最中で通行止めになっていた。歩行者はなんとか工事現場の横を通ることができて、そのすぐ先が30番札所であった。
大きな石塔の間に参道が続いている。石段を上って行くと右に池があって、これを見ながら石段を上ると大きな御堂の前に着く。これが法霊寺観音堂である。
なぜか、ここに祀られた如意輪観音は唐の玄宗皇帝が楊貴妃を偲んで彫ったものだという。京都には楊貴妃観音があったけど…。
御堂に懸けられた絵馬の絵は楊貴妃であった。
観音堂の左に古いお地蔵様が並んでいたが、よくみたら頭苔むしていて、そこから草が芽を出していた。
石段を引き返して納経所に行った。朱印をもらいながら訊いたら、ここから31番に向かうと距離が長いので、32番にお参りしてから31番に向かう人が多いということであった。納経所の前のベンチに座って、コーヒーを飲みながら考えたのだが、やっぱり順番通り31番に向かうことにした。
納経所の前にはバスの時刻表が張ってあったので、これを写真に撮った。この先ではバスを使うかもしれないので、役立つかもしれない。
納経所の前から見る観音堂はすごくきれいで、何枚も写真を撮ってしまった。
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