秩父巡礼の旅 



 29番札所から安谷橋へ
ハイキングコースの指導標


清雲寺への道


線路に沿って行く


国道140号線を行く

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2009年3月13日

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30番札所法霊寺に向かう。ガイドブックによると、距離は4kmほどなのに2時間かかるとある。4kmなら1時間のはずなのだが。
29番からは国道に出ないで、一本手前の細い道を行く。道には荒川自然遊歩道の「しだれ桜とそばの里ハイキングコース」の指導標がたっていて、これに従って歩いたらいいのかと思うと、そうでもない。このハイキングコースはいろんな神社仏閣に立ち寄るようになっていて、巡礼道とはまったく違うのだ。
この指導標では最初に「清雲寺」が示されている。枝垂れ桜きれいなのだそうだが、まだ桜の季節ではない。通過した。
次に指し示しているのは千手観音堂だったが、巡礼道の札に従って歩いて行ったら、ここを通ることはなかった。

斜めに道が交差するところにたくさんの碑と壊れた石仏が並んでいた。お寺の跡なのだろうかとも思ったが、なんの説明板もなかった。
ここで巡礼道は右折して集落の細い道を行く。道しるべ石があったりする静かな道である。江戸巡礼古道という指導標を見落とさないように歩いて行く。時々石仏があったりして、趣のある道なのだ。

道は線路に沿うようになって、武州中川駅が見えたところで踏切を渡る。
落ち着いた静かな道だったのに国道に出てしまった。しばらく国道140号線を歩かなければいけない。500mほど国道を歩くと道の右に御堂がたっていた。御堂は薬師堂で、中には即道という人が彫った薬師如来立像が祀られているのだ。御堂の格子から中をのぞいたら、薬師如来は胸から下しからしか見えなかった。
200m
ほど行くと、安谷橋という大きな橋を渡る。左には建設中のりっぱな橋があって、その奥に西武鉄道の高架が見えた。この谷には三重に橋がかかっているのだ。けっこう絵になっていた。



 30番札所 法雲寺へ
道の駅の道路標識


カタクリ・ニリンソウの里


踏切を渡る


熊倉山登山口のゲート


法雲寺の入口に着いた


車がビュンビュン行き交う国道歩きが続く。橋から
400mほど歩くと武州日野駅があった。
なんか国道歩きがイヤになったころ、ようやく「道の駅あらかわ」の標識が見えてきて、巡礼道は国道から左の道に入る。分岐したすぐのところに夜泣き石があった。なんの変哲もない石である。

左に道の駅を見えたが巡礼道は直進する。私は道の駅がけっこう好きなのだが、通過した。
巡礼道は舗装の車道なのだが、さすがに国道から離れると交通量も少ない。

少し行くと、道から一段上がったところに御堂があるのを見つけた。その前には巡礼道の札が下がっている。石段を上るとそれは薬師堂で、中には小さな仏像が置かれていた。市販された仏像にすぎないのだが、御堂の前には石仏が三体並んでいた。
車がほとんど通らない車道を歩いて行く。道は秩父鉄道に沿って続いていて、たまに電車が走って行く。前方に少し雪が見える山並みを見ながらのんびり歩いて行くと、線路の土手にカタクリ・ニリンソウの里と書いた説明板がたっていた。この線路の土手はカタクリが咲くらしくて立入禁止になっていた。もちろん花はまったく咲いていない。
ようやく30番札所とか書かれた道路標識が見えたのは29番から1時間45分ほども歩いてからである。ガイドブックの2時間というのは間違っていなかったようだ。
道端に「白久の串人形芝居」の説明板がたっていた。白久ではこうした人形芝居があったらしい。
深い谷にかかる橋を渡ると踏切である。踏切を渡るとすぐに白久駅があった。ここで電車の時刻を調べた。私は三峰口駅から電車で浦山口に戻らなければいけないのだ。
駅前で左の道に入って、坂道を上って行く。15分ほど行くと、道は工事の真っ最中で通行止めになっていた。歩行者はなんとか工事現場の横を通ることができて、そのすぐ先が30番札所であった。
大きな石塔の間に参道が続いている。石段を上って行くと右に池があって、これを見ながら石段を上ると大きな御堂の前に着く。これが法霊寺観音堂である。
なぜか、ここに祀られた如意輪観音は唐の玄宗皇帝が楊貴妃を偲んで彫ったものだという。京都には楊貴妃観音があったけど…。
御堂に懸けられた絵馬の絵は楊貴妃であった。
観音堂の左に古いお地蔵様が並んでいたが、よくみたら頭苔むしていて、そこから草が芽を出していた。
石段を引き返して納経所に行った。朱印をもらいながら訊いたら、ここから31番に向かうと距離が長いので、32番にお参りしてから31番に向かう人が多いということであった。納経所の前のベンチに座って、コーヒーを飲みながら考えたのだが、やっぱり順番通り31番に向かうことにした。
納経所の前にはバスの時刻表が張ってあったので、これを写真に撮った。この先ではバスを使うかもしれないので、役立つかもしれない。
納経所の前から見る観音堂はすごくきれいで、何枚も写真を撮ってしまった。




●宗派

●本尊

●住所



●行程
臨済宗建長寺派

如意輪観音菩薩

秩父市荒川白久432
0494(54)0108


29番へ3.8km 30番へ18.1km
●縁起
開創は13世紀中頃の鎌倉時代である。本尊の如意輪観音坐像は元応元年(1319)に鎌倉建長寺の道陰禅師が中国から請来した渡来仏で「楊貴妃観音」として名高い。安禄山の反乱で都長安を追われた玄宗皇帝が縊られた愛妃楊貴妃のためにと自ら彫り上げたものだという。

●堂塔

江戸初期には観音堂・本堂・仁王門を備えていたが、嘉永年間(1849頃)に火災に遭って、観音堂だけを残して悉く焼失してしまった。昔日の面影を残す観音堂と四季の花で彩られる浄土庭園との調和はみごとである。


 三峰口駅へ
田んぼの横の細道を行く




三峰口駅


30番をあとにして三峰口駅に向かう。
坂道を下って行くと白久駅の手前で、左に下って行く道がある。これが古い巡礼道である。田んぼの横の細い道を歩いて集落の中に入る。ふたみ沢を渡る橋のプレートにはカタクリの絵が書かれていた。
突然、道は右折して線路をくぐる。少し行くと秩父甲州往還分岐の古い石碑がたっていた。
この分岐を左に行くと再び線路をくぐって、さっきの道に戻ってしまった。なんだったのだ。
集落の中をのんびり歩いて行くと、右には秩父鉄道の線路が続いていて、古い車両が止まっていたりする。駅は近いのかなあと思っていたら、あっさりと三峰駅に着いてしまった。時間は114分、さっき白久駅で確認した時刻表では、次の電車には10分たらずで乗れるはずである。意外と早く着いてしまった。ラッキー。
秩父鉄道で浦山口駅に戻って、そこから車で「道の駅薬師の湯」にやってきた。温泉でのんびりした。午後は雨のはずなのにちっとも雨にはならない。
でも、今日は車の中でのんびり読書ができた。


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