2005年5月13日

とうとう、1番札所に戻ってきた。大師堂で「願わくば比の功徳を以って普く一切に及ぼし我等と衆生と皆共に佛道を成ぜん」と読みあげたら、不覚にも涙がこぼれた。


BACK 88番 大窪寺


513(41日目)

12時半頃に眼が覚めた。飲みすぎた。
外でガサガサという音がする。なにかしら獣がやってきているようだ。しきりと周りを歩きまわっている。まさか熊ではあるまいからとタカをくくっていたが、けっこう緊張した。そのうち、気配がしなくなって、私も眠ってしまった。

朝、今日は比較的のんびりしている。今日は1番札所にお参りをしたら、その最寄りの駅からJRに乗って徳島に向かうつもりだ。時間は十分に余裕がある。
7時に東屋を出発した。
公園からはゆるやかに丘陵を登って行って、あとはひたすら下るだけである。大きなヘアピンカーブを下る。下には町並みが見えてきた。
熊谷寺に着いたのは810分である。ようやく四国を一周して円が閉じたという感じである。大きな仁王門を右に見て、左折すると池がある。すぐに大きな駐車場がある。熊谷寺には遍路の初日に参拝しているのだが、二度目の参拝をすることにした。ただし、納経はしなかった。
私は1番札所をめざしているのだが、この途中に札所が連なっている。せっかくなので、途中にある札所にはすべて参拝しようと思っている。熊谷寺の仁王門をくぐって、高速の高架の下を通って県道139号線を左折。ひたすら東に向かって歩いて行く。7番札所十楽寺に着いたのは930分、熊野神社を左に見て6番安楽寺に着く。ここでは始めてお接待でパンをもらったのだった。
5番の地蔵寺へは県道を歩いて行く。前回は旧道を歩いたのだが、曲がりくねっているので県道を歩いた。地蔵寺には11時半に着いた。本当はここから北上して4番の大日寺に行くのだが、これは省略した。
そのまま県道に戻って
3番の金泉寺に向かった。少し行くと愛染院への指導標があったのでそっちに向かったが、途中で道がわからなくなってしまった。山側に向かって歩いて行って、なんとか遍路道に出たので、そのまま遍路道を東に向かう。途中導引大師のお堂で休憩。
ここから少し行ったら、すばらしく大きな古木が聳えていた。岡上神社の前の巨木で、私はこんな古木にこそ神精が宿るのではないかと思ったりする。
13時、金泉寺からいったん県道に出て、サンクスで買い物。昼食である。最近は昼にビールを飲むことを覚えてしまって、我ながらなさけない。なにしろ、最近の第3のビールというのは、めちゃくちゃに安くて、130円で買えてしまうのだ。普通の缶ジュースを買うのとかわらないのだ。
2番の極楽寺はあやうく通りすぎるところを、親切なおばさんに教えてもらった。
ここまで来たら1番まではわずかに1.5kmだ。ゴールは間近。
県道を歩いて行くと1番のすぐ前にセルフのうどん屋さんがあるのを見つけた。今夜は和歌山に渡ってしまうので、四国最後のうどんを食べることにした。ぶっかけが400円で、讃岐で食べたのよりかなり高いのだが、それでもけっこううまかった。ここは阿波の国だから讃岐うどんではなくて阿波うどんということになる。
霊山寺に参拝する。本堂にお参りして、それから大師堂へ。
般若心経を読み、最後に「願わくは、比の功徳を以て、普く一切に及ぼし、我等と衆生と皆共に佛道を成ぜん…」と読み上げたら、不覚にも声がつまって、涙がこぼれてしまった。
納経所に行って朱印をもらったら、そこには大願成就と書いてくれるのだった。
四国遍路をやり上げたという実感が湧いてきた。

ローソンで買い出しをした。これからJRで徳島に向かうのだが、列車の中で御祝いをするつもりで、酒を買い込んだのだ。ローソンから駅に向かったが、板東駅への道がわからなくなった。小学生のグループがいたので、道を尋ねたら親切に駅の分岐までついてきてくれた。四国ではお遍路というだけで、たくさんの人に親切にしてもらってきたが、これが最後。今夜は四国を離れてしまうのだ。なんかむしょうに寂しくなってしまう。
15時、駅に着いてビールで乾杯…、といっても自分一人で乾杯なのだが。

1522分の列車に乗って徳島に着いたのは15時46分。駅の地下のロッテリアに入ってこの文を書いた。
1940分のフェリー乗り場行きのバスに乗った。
フェリー乗り場では、受付の人に和歌山港の待合室の状況を訊いたら、待合所がないという。しかたがないので、ここで3時まで時間をつぶすことにした。


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南海フェリーのホームページ


テントの前には池と金清白鳥温泉


8番熊谷寺に着いた


遍路道標石


7番十楽寺


岡上神社の巨木


1番に戻ってきた。四国一周完成


板東駅


徳島行きに乗る、1両だけだった。


徳島駅、時間をつぶしてフェリー乗り場へ





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