BACK 82番 根香寺
5月10日(38日目)
一旦車道まで戻って、そこで左に分岐する車道を下る。いよいよ高松市街に向かって下ってゆくのだ。
車道はヘアピンカーブを繰り返して続いているのだが、遍路道は車道から離れて、真っ直ぐに下ってゆく。
今日はかなりの距離を歩かなければいけなくて、今日中に高松市街を抜けてしまおうと思っているのだ。昨日、東屋で一緒にテントを張ったお遍路から。屋島の手前に東屋があると聞いている。今日はそこまで歩くつもりなのだ。
そして、その忙しい中で温泉にも入ろうと思っている。
眼下には高松市街が広がり、密集したビルなどが見える。この下りは長い。10時に下り始めて、香東川のほとりに出たのは12時を過ぎた頃であった。
この川の河川敷公園を歩いて行く。きれいな青空が広がっていて、川の流れを見ながらのんびりと歩いて行くのは気持ちがいい。
左折して橋を渡るところでスーパーを見つけた。少し買い出しをしようと思う。そのスーパーの向かいにセルフのうどん屋があった。
せっかく讃岐にきているんだから讃岐うどんを食べなくては。まんだらの宿で同宿した人が言っていたのだが、讃岐のうどん屋はどこに入ってもほとんど外れがないといっていた。250円で大盛りの「ぶっかけ」を食べたが、たしかにうまかった。ぶっかけというのはおろしがかけられていて、つゆが少ないのが特徴。
ここから83番一宮寺までは2kmほどである。歩いて行くと、おばさんの運転する車が急に私の前で停まって、話し掛けてきた。なにかと思ったら、お接待ということでウーロン茶の缶をくれた。感謝。
一宮寺で納経を済ませて2時15分。今日の納経はこれでおしまい。あとはひたすら歩くだけである。
一宮寺からすぐのところに「きらら温泉」がある。ここ4日ほど風呂に入れていないので、ここで汗を流すのだ。この温泉を楽しみにしていたのだ。
温泉を後にしたのは3時半、高松の中心に向かって歩いて行く。
そうしたらまた、セルフのうどん屋を見つけてしまった。また入ってしまった。ここのうどんはさっきの店よりも、さらにこしがあってうまかった。それで220円である。讃岐うどんのファンになりそうである。
高松市街の複雑な路地を抜ける。これはかなり大変であった。地図と磁石をにらめっこして歩いて行く。道を失ってしまって悩んでいたら、ちょうどJRの栗林駅があった。カンで歩いていたのだが、間違っていなかった。私の方向感覚たいしたものだと、自分でも感心した。
複雑な市街地を抜けて、ようやく国道11号線に出た。17時50分になっていた。ひたすら国道を屋島に向かって歩いて行く。屋島への分岐に着いたのは19時少し前で、街は暗くなろうとしていた。この分岐にローソンがあったので、酒を仕入れた。もう7時になっていて、日が暮れようとしている。今日は本当によく歩いた。
ローソンから国道を横切って、屋島に向かってゆるやかに登って行く。川を渡って、さらに琴平電鉄の踏み切りを越える。この道沿いに溜め池があって東屋があるはずである。昨日一緒だったお遍路は十分野宿ができるといっていたのだが。
心配であったが、池を巡る遊歩道に東屋が建っているのを見つけた。
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眼下に瀬戸内海と高松市街が広がる
香東川に沿って行く
一宮寺の山門
きらら温泉
琴平電鉄の踏切を渡る
行く手に屋島が見えてくる
この下にテントを張った
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