■真言宗智山派 ■開基/真野長者
■御本尊/十一面観世音菩薩
本堂は四国霊場の中では二番目に古いもので、嘉元3年(1305)に建てられた国宝である。本堂須弥壇の十一面観音像と仁王門は重要文化財である。
     ■51番石手寺から 10.3km
     ■愛媛県松山市太山寺町1730
     ■TEL 089-978-0329


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51日(29日目)

世はゴールデンウィーク真っ最中なのだが、私は無縁の世界にいる。遍路に入ってからニュースをほとんど見ていないのだ。思うのだが、家にいるときは情報の洪水の中にいて、それがあたりまえであった。でも、ニュースから遮断された世界にいても、ちっとも不便は感じない。人は余分なものを背負いすぎているのではないかとつくづく思ってしまう。
夜半に雨の音、そしてこの建物は雨漏りがするのだ。コンクリートの大きな建物なのだが、なにかしら荒れた感じの建物である。この広い部屋にはガラクタのようなものがいっぱい置かれているのだ。
5時半に明るくなってきた。あいかわらず雨は続いていて、6時までは寝ていた。
石手寺の通夜堂を出たのは8時である。
雨の中を歩いて行く。目指しているのは道後温泉である。路面電車の道後温泉の駅を見て、商店街のアーケードに入る。観光客がいっぱいである。
道後温泉本館前は観光客であふれていた。温泉に入っていこうかという誘惑にもかられたが、まだ歩き始めたばかりである。記念写真だけ撮って、次の札所に向かった。
まず県道187号線を西に向かって歩いて行く。私の前を10人ほどの団体の遍路が歩いていた。団体の歩き遍路というのはめずらしい。15分ほどで遍路道に入って、裏道を行く。
川沿いの道を歩いて、国道196号線を横切るのだが、ここはわかりにくかった。
あとはひたすら、遍路道を西に向かって歩いて行く。路地のような細い道を行く。JR予讃線の三津浜駅の近くで線路を渡る。
雨の中、太山寺の一の門に着く。11時少し前になっていた。この一の門は車道のT字路にあって、この門を潜ってさらに車道は続いている。これを300mほど行くと二の門、ようやくお寺は近い。まず納経所があったが、本堂はここからさらに300mほど登ってゆかなければいけないのだ。雨の中を、坂道を登って行く。石段を登って山門をくぐって境内に入ると、正面の本堂は国宝である。さすがに、なにかしら風格があって雰囲気が違う。
私がお参りを澄ました頃に、団体がやってきて東屋で休憩していた。この団体は松山の道後温泉から歩き始めすぐに、私の前を歩いていた団体である。見ると大学生たちのようである。ゴールデンウィークはいろんな人が遍路をしている。

坂を下って納経所に向かうと、おばさん達の遍路の団体が登ってきた。納経所でまた待たされるのかと思いながら、下って行くと、そのうちの一人がバッタリと倒れてしまった。滑ったのかと思ったら、そうでもなくて起き上がらない。救急車を呼ばなければとか騒いでいた。納経所に行ったら、この団体の添乗員らしき人がいたので、教えてやったら、あわてて飛び出していった。せっかくお大師さまの御利益をいただこうと遍路をして、こんなところで脳卒中とかになったら、気の毒としかいいようがない。


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石手寺の通夜堂


道後温泉の前に着く


護国神社前を通過


太山寺の一の門


太山寺の参道(遠い)


楼門をくぐって境内に着く





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