■高野山真言宗 ■開基 行基
■御本尊/薬師如来
この寺の寺号は「母養山」というが、これは弘法大師の母、玉依御前がここで剃髪して出家したためである。
寺は山の中腹にあって、境内には樹齢300年の大イチョウや350年というソテツの木がある。

     ■第17番札所 井戸寺から 18.8km
     ■徳島県小松島市田野町恩山寺谷40
     ■TEL 08853-3-1218


BACK 17番 井戸寺


3月20日(四日目)

井戸寺から広い車道に出て、この道を行くと大きな川を渡る。これは昨日渡った鮎喰川であった。地蔵峠への道はこの橋を渡ったところで右折する。さっきの先達が何人かの若い遍路を連れてそちらへ歩いて行くのが見えた。

佐古駅の前に着く。ここで道がわからなくなった。磁石を出して方向を確認する。どうも地図と違うような気がする。
でもわかった。私の持っているガイドブックの縮尺はメチャクチャに粗いから距離感覚を間違えていたのだ。駅前の道をまっすぐに行って、国道192号線に出る。その道を少し行って右に入る。これが徳島市内を通る遍路道なのだ。

街の中をひたすら行く。途中、ロープウェイ駅があって、ここからまっすぐ東に行くと徳島駅なのだ。
やっぱり県庁所在地は大都会で、今までずうっと田舎の道を歩いてきた私には騒々しすぎる。
途中から遍路道を離れて阿波冨田駅に向かい、国道11号線に出てしまった。
ひたすらこの国道を歩いて行く。ガイドブックにあるガスが買える店、アレックスを見つけた。ここでボンベを2個買う。これから室戸岬に向かうのだが、この先ガスが買える店なんてないのだ。私は夜はテントの中でご飯を炊くことにしているので火が使えないと困ってしまう。これで安心。
ひたすら国道を歩く。単調な道で、ものすごく長く感じる。目標は勝浦川橋である。
その手前で地蔵峠からのコースが合流するのだが、それがどこかわからないうちに勝浦川橋に着いた。この橋のたもとで少し休憩。足が痛い。国道歩きはものすごく疲れる。おまけに途中から雨が降り出した。もう泣きたくなってくる。
ようやく恩山寺を指す指導標があって、右の道に入る。私のガイドブックのコースとは少し違うようなのだが、もう細かいことにこだわる気力もなくて、そのまま歩いて行く。石柱に書かれた案内では恩山寺までは国道分岐から1.7km30分ほどの道程だ。
野宿可能な壁のあるバス停があって、そこから右折する。18番札所は近い。
ゆるやかに登って行くと、なぜか山門がぽつんと立っていた。付近にお寺はないのだが。昔の参道は今は消えてしまっていて、この山門だけがその昔の佇まいを忍ばせるのだ。ここから遍路道に入る。車道より一段高いところを行く細い道でデコボコである。こんな道は足がさらに痛い。
ようやく境内に着いた。
こんなに苦労してここまでやってきたのに、境内にはバスでやってきた団体であふれていた。なにかしら腹がたってくるではないか。
参拝がすんで納経所に行ったら、団体の添乗員がバックいっぱいに納経帳を抱えてきて、それに朱印をもらっている。そしてこうした団体は掛け軸や白衣ももってきていて、それにも朱印をもらうのである。待たされた。
考えてしまうのだが、遍路ってもともと歩いて廻るものだろう。それをバスでやってきて、納経すら他人任せにする。これで本当に遍路をしたって言えるのか。これでは、本当にスタンプラリーである。こんな連中にも御利益を与えるんだったら、お大師さまとうのはずいぶん心が広いんだと思ってしまった。


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勝浦川を渡る



お寺のかなり手前に山門がある


ようやく恩山寺に着く


恩山寺本堂




私がガイドブックとした本





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