BACK 青春18切符の旅(京都〜板東)
2005年3月17日(初日)
板東駅のベンチに寝たのは私一人であった。
少し心細い思いでウツラウツラしていたら、刑事さんに起こされた。職務質問というやつで、住所名前などこと細かに尋かれた。あとでわかっただが、この四国にはホームレスとか犯罪者まがいの者がけっこう流れ込んできていて、警察はその取り締まりを強化しているのだ。私は知らなかったが、つい最近、雑誌にも載った遍路のベテランが実は指名手配の犯人だったということがあったのだ。
また眠っていたら、2度目の職務質問があった。チームがいくつかあって、巡回しているのだ。お巡りさん、ご苦労様です。
朝、6時半に駅を出発した。朝食は抜きだ。
駅からまっすぐに行ったら1番札所に着けると思っていたのだが、T字路にぶつかった。指導標があって、一旦左折してそれから右折するのだ。行く手正面に立派な山門が見えてきた。これが1番札所の霊山寺であった。
広い車道を渡る。
山門の右隣にはお遍路ショップがあって、ここで遍路のグッズを一式揃えることにした。
買ったのは、菅笠、白衣、金剛杖、納経帳、経文集、納め札である。これでなんとか遍路らしいかっこうになったので、1番札所にお参りする。
まず、山門の前で一礼。境内には7時を過ぎたばかりというのに、お遍路が多い。さすがに1番札所は歴史を感じさせる重々しい雰囲気だ。
山門を入って真っ直ぐに行くと本堂である。本堂で読経する前に納め札を納めなければいけない。この納め札にはあらかじめ今日の日付と住所・名前を書いておかなければいけないのだ。賽銭箱の横に納め札の箱があるのでそこに自分の札を入れてから、お賽銭をあげて手をあわせる。
ここで般若心経を詠まなければいけない。私はこれまでお経なんてよんだことがない。しかたがないので、経本に書かれたふり仮名の通りに読むことにした。恥ずかしいので、あまり他人には聞こえないように口の中でつぶやくようにお経を読んだ。周りのお遍路は浪々と読経しているのだが…。
お経を上げるのは本堂のほかにもう一つあって、それが大師堂である。ここには弘法大師がまつられているのだ。
大師堂でも本堂と同じように納め札を納めて、般若心経を詠む。
なお、札所のお寺にはそれぞれの「御本尊」があって、一番札所の御本尊は「釈迦如来」である。お参りするときはこの御本尊の「真言」を唱えなければいけない。真言とは、簡単に言ったら呪文のようなものである。
四国八十八ヶ所はそのほとんどが真言宗の寺院である。真言宗というのは、もちろん空海が中国からもたらしたもので、真言「密教」という。この密教については、私もいろんな本を読んだのだが、大胆に言ってしまうと、これは呪術の世界なのだ。その呪術を行うための呪文が「真言」なのである。真言密教のことは、どこかでまた細かに触れることになると思うが、今はお参りのことに話を戻そう。
大師堂のお参りが終わったら、納経所にいって朱印をもらうのである。スタンプラリーの最初のポイントを通過したことになる。
ところで、この朱印をもらうには300円が必要である。安いものだと思ったのだが、よく計算してみると、300円×88=26400円である。けっこうかかるのだ。
ところで、この1番札所では納経が不要だった。さっきショップで納経帳を買ったが、これにはすでに朱印が押されていたのだ。
こうして最初の札所の参拝は終わった。
山門でお礼の礼をして外に出た。
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板東駅
四国一番下車駅の標識
駅のベンチで寝た
広い道の向うに立派な山門
山門の仁王像
山門の仁王像
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