細い車道を緩やかに登って行くと、時々雨がぱらつく。あわてて傘を持ってこなかったことを悔やんだ。。
ダラダラと上り続けて、車道の終点の駐車場に着いたのは16時40分。ここからは階段の遊歩道になる。遊歩道入り口には裏見の滝まで500mという指導標がたっていた。登りがきついと30分くらいかかりそうだ。
急な階段を上って行くとすぐに傾斜は緩やかになった。
平らになった遊歩道を行くと、左に岩の間を流れ落ちる幅広の滝が見えてきた。これが裏見の滝かと思ったらそうではないかった。でも、この滝が変わっているのは、滝の上部に流れはなくて、岩の間から湧き出た水が滝を作っているのだ。これはこれですごい滝だと思ってしまう。
山襞を左から回りこむと行く手に二本の滝が見えた。これが裏見の滝であった。木の階段を上って滝のすぐ近くまで行く。終点は展望台になっていて、ここからよく見ると、絶壁につけられた道らしきものが滝に続いている。最近、崩落があって滝の裏に回ることはできないのだが、芭蕉はこの道で滝の裏に入ったのだ。
芭蕉はここで
暫時は 滝に籠るや 夏の初
(しばらくは たきにこもるや げのはじめ)
という句を残している。
裏見の滝は高さ19m、幅2mほどでやや小さな滝なのだが、迫力は十分である。芭蕉と同じように滝の裏に入ることができたら、もっとすばらしいのだろうと思うのだが。
時間はもう16時50分になっているので、写真を撮ってあわてて引き返す。もちろん観光客は私一人だけであった。
帰りは霧雨になった。傘はないので濡れて行くしかないのだが、そんなに濡れるほどの雨ではなかった。帰りは含満ヶ淵に寄るつもりだったが、雨だし、暗くもなってきたのであきらめて、バスで帰ることにした。
バスで東武日光駅まで行って、近くのコンビにで夜食を買い込んで、それからパークロッジに向かった。
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