少し行くと杉並木があって、「日光ロマンチック街道」という標識があった。日光への道は杉並木が続くのだ。
高くそびえる杉林を見ながら行くと、「杉並木寄進碑」があった。松平正綱が杉並木を植栽して東照宮に寄進したという石碑なのである。この杉並木は特別史跡であり、特別記念物に指定されているのだ。
日光の杉並木といったら、今市から日光の間のものが有名なのだが、この鹿沼・今市間もなかなかのものである。
ただ杉並木を歩いていて困ることがある。両側が塀のように高くなっているのに歩道部分がないため、車が来るとすごく怖いのだ。でも、杉並木の外側に踏み跡を見つけた。土の道が続いて、アスファルト道に参っていた私にはすごく快適な道であった。
杉並木の外の歩道を行くこんもりとした盛り上がりがあって、それは一里塚であった。道の向こう側にも同じ盛り上がりがある。一里塚というのは道の両側に築かれるものなのだ。
一里塚から30分ほど行くと文挟の駅に着いた。このすぐ先で右から合流してくる道があって、そこに立つ杉の巨木のもとに古い石標がたっていた。いかにも昔の街道を思わせるものであった。私はこんなものが大好きなのだ。
鬱蒼とした杉並木が続く。車道歩きはできないので、杉並木の外側の踏み跡を行くのだが、困ったことに時々その踏み跡が藪に覆われてしまったりする。
10時少し前に上板橋の集落に入った。道路標識には今市まで7kmと書かれていた。この調子だと今市に着くのは12時である。この集落には本陣跡があるというので、注意しながら歩いたが結局見つけることはできなかった。
集落を出ると道は左にカーブして、鬱蒼とした杉並木の中に入る。歩道がないので車道を歩いて行く。道の両側は高い土手になっていて、車が来るとちょっと怖い。
すぐに例幣使街道宝瀬一里塚があった。塚の上には杉の巨木が生えていた。
できるだけ車道の外に踏み跡を見つけて歩いて行くのだが、時々踏み跡が途切れて車道に戻ったりする。藪を掻き分けて歩くことも少なくない。
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