BACK 粕壁から間々田へ
2008年3月20日(木)
一晩中、雨が降っていた。
起きたのは6時頃で、まずお湯を沸かして、味噌汁を作った。暖かい味噌汁を飲んでからパッキングを開始。雨のときはテントの中ですべてパッキングを終えて、あとはテントを撤収するだけにするのだ。ザックにザックカバーをかけて濡れないようにして外に出る。雨はそんなに大した降りではなかったので、雨具なしでテントの撤収をした。テントはザックの一番上にしまって、傘をさして出発。
携帯で見た天気予報では明日も雨で、その後二日だけ天気は回復するが、来週一週間はぱっとしない天気が続くのだ。いろいろ考えたが、今回は小山からJRで一旦、帰ることにした。靴の具合がイマイチ良くないので履き替えたいし、荷物も遍路をしたときのように極力絞り込んでしまいたい。食料も米を初めとしてたくさん持ってきたのだが、街の中を通るのでまったく不要である。芭蕉が歩いた旧街道は今の国道や主要県道で、買出しに苦労することはないのだ。
たった二日歩いただけでリタイアするなんて情けないのだが、準備不足なのだから仕方がない。
間々田から小山までは7.5kmである。所要時間は2時間ほど、9時過ぎには着くことができそうだ。
私がテントを張ったのは、国の史跡に指定されている「乙女不動原瓦窯跡」の公園なのだ。この公園に隣接して小山市立博物館もある。この近くには「下野薬師寺」があって、その瓦を焼いた窯跡なのである。下野薬師寺は白鳳時代の天智天皇によって創建されたといわれ、日本三戒壇の一つという大寺だったのだ。私は関東自然歩道を歩いたときに立ち寄ったことがある。
この史跡は小山市に住んでいたときに十分散策しているので、テントをたたんですぐに出発した。
雨の中、傘をさして歩いて行く。遍路をしていたときに気がついたのだが、国道には100m毎に標識があって、1km毎には基点からの距離が書かれている。昨日、間々田の直前では「東京から70km」であったが、国道に出てからすぐに「東京から72km」の標識があった。79kmの地点が小山だろうと思い、これを目標に歩いて行った。
8時17分、左に古い酒蔵を見て、そこから10分ほど行くと安房神社がある。この神社は式内社で、すごく由緒あるものなので寄って行くことにした。
国道から300mほども西に入らなければいけない。
標識に従って左折するとこれは駐車場への道のようで参道といった感じがしない。300mほど行ったところでT字路にぶつかり、右折すると正面に本殿が見えた。これが南参道ということになるのだが、本殿の正面に通じているので表参道といってもいいのかもしれない。
鳥居をくぐって境内に入ると、右には神楽殿があった。正面の本殿で手を合わせて、神社をあとにした。安房神社はモミの木の林に囲まれているのだが、このモミの群落は天然記念物に指定されているのだそうだ。
国道4号線へは杉木立の参道を戻る。こちらの東参道ほうが表参道のような雰囲気である。国道への出口にはりっぱな鳥居と石灯籠がたっていた。
国道はすぐに左にカーブしていって小山市街を通らないので、国道を渡って市街に向かう道に入る。
だんだん家が密集してきて、歩道がタイル張りのりっぱなものになるとJR小山駅は近い。
ビルが立ち並ぶようになると、歩道に「小山宿通り」の標識があって、行く手には足利銀行の看板が見えてきた。そこが駅との交差点である。
小山駅交差点に着いたのは9時30分、ここには「小山まちの駅思季彩館」がたっている。小山宿らしい建物はこれだけで、すぐに駅に向かった。
10時10分発、黒磯行きの各駅停車に乗って、郡山・福島で乗り換えて仙台に着いたのは16時27分であった。
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小山に向かって歩く
東京(日本橋)から72km歩いたのだ
国道には100mごとにこんな標識があるのだ
安房神社
安房神社の正面(東)参道
小山宿通り
JR小山駅 |