天水田→山口茶屋跡→果無観音堂→果無峠→六字名号碑→三十丁石→果無峠登山口→道の駅奥熊野古道ほんぐう→平岩口バス停→三軒茶屋跡(中辺路合流点)→熊野本宮大社

果無峠を越えると目指す熊野本宮大社はもうすぐである。この果無峠越えで私が楽しみにしていたのは、三十三の観音石像である。点在する石仏を見ながら行くこの道は最も熊野古道らしい雰囲気である。
熊野本宮大社到着は14時、高野山から歩き始めて4日目であった。


 天水田から果無峠へ

石畳道を行く


果無観音堂



果無峠

BACK 三浦峠から天水田へ

20101126

昨夜は雨がパラパラしていたが、夜が明けて外に出てみたら、いい天気であった。テントを撤収すると、本体が結露でビショビショ。フライをピンと張らなかったからだと反省した。
出発は755分。樹林の中を10分ほど登ると山口茶屋跡に着いた。何もない平坦地である。このすぐ先にお地蔵様がたっていて、その横に24番の観音像があった。
この先、傾斜がゆるまって、狭まった尾根道を行くようになった。尾根にはいくつかコブがあるのだが、それは巻いて行くのだ。
茶屋跡から35分ほど登ると、ようやく果無観音堂が見えてきた。ここには水場があって、ホースから勢いよく水が流れ出していた。昨夜の野営で水がほとんど残っていないので、水を補給してここで休憩することにした。
観音堂を覗くと、中には
3体の石仏が収まっていた。
観音堂の少し奥に丸い石が転がっているのを見つけた。二十五丁の丁石であった。
水を補給したらザックがずっしりと重くなった。
観音堂から一段あがると20番の観音像があり、再び急な登りが始まる。観音像の番号を数えながら登って行くと、20分ほどで、展望が開けた。
さらに樹林の急斜面をジグザグに登って、果無峠に着いたのは940分であった。
石塔の頭の部分だけがあって、
峠からの降り口には17番の観音像もあった。ここで休憩するつもりだったが、寒いので記念写真を撮ってすぐに下った。



 果無峠から八木尾へ

ロープが張られた急な下り


熊野川が近づく


やっと民家あった


果無峠越え登り口


観音の番号を数えながら下って行く。
20分ほど下ったところに「六字名号碑」があった。あまりたいしたものには思えなかった。
急斜面をジグザグに下った後、再び尾根の緩やかな道になる。13番を過ぎたら、突然ロープの張られた岩場の急な下りがあった。こんな険しいところもあるのだ。
誕生石の標識があった。周りをよく見たら小さな天上天下唯我独尊の釈迦像があった。小さいので見逃してしまいそうだ。
少し行くと本宮町を望むという標識があった。ここからは熊野川と集落を眺めることができるのだ。とんでもない山奥にいるのだが、熊野川はすごく広くて悠々と蛇行しながら流れている。海近くの平野を流れているのようである。

このすぐ先に三十丁石があった。
どんどん下って行くと熊野川が大きくなってくる。
9番を過ぎて七色茶屋跡らしきところに着いた。大きな杉の古木があった。でも、七色茶屋という案内板はなかった。このすぐ先で七色集落への分岐があった。この分岐から八木尾までは2.2kmとなっていた。
八番の観音像を過ぎると、道は尾根の上を行くようになって、緩やかな歩きやすいものになった。
五番で道は右折して、尾根から下って行く。けっこう急な下りであった。
三番の十一面千手観音像を過ぎると、すぐに民家が見えて、この軒先を過ぎると再び樹林の中に入ってしまった。まだ山道が続くのかと思ったが、すぐに二番の観音があって樹林から抜出した。石畳の急な坂を下ると、広い車道に降り着いた。車道は熊野川に沿って続いていて、この車道を右に行けば熊野本宮社である。車道から古道を振り返ると、登り口には「世界遺産熊野古道小辺路」という大きな標識が立てられていた。
果無峠越えでずうっと続いていた西国観音像は二番で終わってしまったのだが、一番は八木尾地区の公民館にあるという。行ってみようかと思ったが、熊野本宮とは反対方向にあるので、ここから往復しなければいけない。その方向を眺めてみたが、公民館らしきものはみえない。遠そうなので止めてしまった。(セーラさんに軟弱モノ!と怒られそうだ。)








 八木尾から熊野本宮大社へ

熊野川に沿って行く


三里中学校


平岩口


三軒茶屋跡から熊野本宮に下って行く


熊野本宮大社の裏鳥居に着いた


悠々と流れる熊野川に沿って歩いて行く。国道にはちゃんと歩道部分がつけられているので、車を心配することなく歩くことができる。「熊野萩」のバス停を過ぎて橋を渡る。そこには熊野古道は右となっている。地図で確認すると、これは中辺路の発心門王子への道なのだ。
左に車道を行くと道の駅が見えてきた。「道の駅奥熊野古道ほんぐう」というのだ。熊野古道を歩き続けている私に「どうぞ休んで行ってください」と誘っているような道の駅である。熊野本宮大社はもうすぐなので先を急ごうかとも思ったが、誘惑に負けてしまった。

道の駅は物産館になっていて、お土産や農産物がいっぱい並んでいるのだが、その一郭に熊野古道の展示コーナーがあった。ここには藤原定家が熊野古道を旅した記録がイラストで展示されている。この展示は中辺路で見たモノとまったく同じであった。
ここにコンセントを見つけたので、パソコンの充電をすることにして、その間1時間ほどこの道の駅で休憩することにした。(ただたんにナマケたかっただけなのだが…)
道の駅を出発したのは13時を少し過ぎた頃であった。10分ほど行くと三里中学校があって、「平岩口」のバス停がある。バス停のすぐ傍に石積みの祠があって、中には庚申が祀られていた。
ここで、車道を離れて右の細い坂道を上って行く。すぐに三軒茶屋跡に着くと思ったが、けっこう距離があった。小さな峠を越える直前で、左の山道に入ると木戸門がある広場に着いた。ここが三軒茶屋跡でる。ここで小辺路は中辺路と合流したのである。標石が置かれていて「右きみい寺 左かうや」と書かれていた。ここまできたら熊野本宮大社はもうすぐである。小辺路の険しかったいくつもの峠越えを思い出して、けっこう感慨にふけってしまった。
木戸門には「九鬼ヶ口関所」という看板がかかっている。この木戸を抜けて樹林の中の静かな道を歩いて行く。20分ほど行くと道は広い石畳道になって、坂道には階段が設けられている。
細い石段を下って住宅地に出て、少し行くと右に「祓戸王子跡」がある。このすぐ先の杜(もり)が熊野本宮大社である。
裏鳥居をくぐって境内に入る。
本宮にお参りするため神門から境内に入ると、中央の社殿は工事中であった。

これで小辺路は終わったのだが、さらに、楊枝の渡しから風伝峠を越えて花の窟までの「本宮道」を歩こうと思っている。


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