BACK 伯母子峠から三浦口へ
2010年11月25日
目が覚めたら外が少し明るい。月の光かとも思ったが、時計を見たら6時半であった。この時間になっても、これくらいしか明るくならないのだ。
昨日は泊まることころがなくて、吊り橋の袂のにテントを張ってしまったので、早く撤収しなければいけない。
テントの中で朝食の準備をしていたら、横を通って行く音がした。早く出発しようと思っていたのだが、ザックのパッキングを終えたら7時半を過ぎていた。でも、昨日よりは1時間以上も早い。
橋の袂からすぐに細い急な坂道になっている。登り口には熊野古道の指導標があって、三浦峠まで3.7kmと書かれていた。きつい登りを覚悟しなければいけない。そして困ったことに水がない。今朝、お湯を沸かしてポッドにつめたのだが、これで水がカラになってしまったのだ。地図を見ると、この上に「三十丁の水」という水場があるというので、そこまで我慢することにする。
杉林のなか、細い坂道を上って行く。途中、何度かターンして、ジグザグに登って行くのだ。昨日、この上に民家があるときいたのだが、車も使えない山の上に住むというのは、大変ではないかと思ってしまった。
樹林の中、右上に民家があるのを見て、さらに歩いて行くと、暗い林から抜け出した。その向こうに二軒目の民家が見えた。
民家を過ぎて再び樹林の中に入ると、道は石畳になって、石垣の残る斜面を登って行く。すぐに、左に大きな建物があった。何かの工場だったのかと思うような大きな建物なのだが、戸や窓は閉鎖されていてほとんど廃屋であった。
石畳を登って行くと、再び民家があった。これは人が住んでいるのかどうか微妙な感じ。この庭先を抜けて、杉林に入ると、すぐに熊野古道の標識がたっていた。三浦峠まで3.1kmとなっている。この標識の前で左折すると、杉林の急登が始まる。10分ほど登ったところに石碑がたっていた。何と書かれているのかよくわからない。ここから行く手をみると、なにかしら異様な巨木が見える。枝がお化けのように八方に伸びた古木である。恐ろしさを感じてしまう。
この巨木は道の左右に聳えていて、まず谷側の巨木のすぐ横を通過する。見れば見るほどすさまじい雰囲気の古木である。何枚も写真を撮ってしまった。
このすぐ先で道はターンするのだが、そこに吉村家跡防風林の説明板があった。さっきの巨木は樹齢500年を越す杉の巨木で、防風林だったらしい。杉といったら真っ直ぐに伸びるものと思っていたのだが、八方に枝を伸ばした姿は異様としか言いようがない。説明板の前でターンして登って行くと、もう一つの山側にあった巨木の横を過ぎる。これもすごい。ほとほと圧倒されてしまった。
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