三鍋王子神社の前の広い道を行く。道にはりっぱな歩道が設けられていて、商店街のようである。どんどん歩いて行くと、左に南部駅が見えた。その少し先には南部高校があって、これを過ぎると広い道は終わってしまった。この広い道の最後は十字路になっていて、直進方向は細い路地になっている。熊野古道はこの路地を行くのだ。
少し行くと、右に神社の杜(もり)が見えた。行ってみたら、鹿島神社であった。ここの狛犬の表情がおもしろくて写真を撮ってしまった。境内にはヤマモモの老樹もあって、主幹は枯れたのだが、二本の枝木が大きく成長していた。
古道に戻って細い道を歩いて行く。
すぐに国道に出てしまったが、ここからの道もわからなかった。もうめんどうになって、そのまま国道を歩くことにした。
頻繁に行き交う車を見ながら歩いて行くのは疲れが倍増してしまう。足を引きずるようにして歩いて行くと、岬に沿って右にカーブしてゆく。でも、国道から離れて岬の峠を越えるショートカットの道があるので、これを行くことにした。
小さな峠に着いて、ここから下ると再び国道に出た。ここが堺の交差点で、地図で自分の位置が確認できた。右にあるのが堺港である。ここからふたたび国道を歩いて行く。
どんどん歩いて行くが目印になるものがなくて、また、自分がどこにいるのかわからなくなった。国道は田辺市に入った。さらに国道歩きが続く。10分ほど行くと国道はトンネルを抜けて、この先に井原のバス停があった。ガイドブックでは井原の集落を過ぎて…と書いてある。集落をバイパスしている国道から左に入ってみると、古い家並みが続いていた。これが熊野古道のようである。この道の入口を私は見逃してしまったようだ。
5分ほど行くと松井橋を渡った。この橋はガイドブックに記載されてあるので、正しい道を歩いていることが確認できた。橋から少し行くと国道に出てしまって、これを横断歩道で渡ったところに熊野古道の指導標があった。少し行くと右に神社が見えてきた。これが大神社で、ここに芳養王子社があるのだ。
田辺市に入って最初の王子社であるが、境内には木の説明板があるだけで、いつもの青い説明板のはなかった。
ここで少し休憩する。14時半になっていた。
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