集落の中をのんびり歩いて行くと、前方に生コン工場が見えてきた。この少し手前に琴野橋があって、これを渡ると広い道を横断する。その先は急な坂を上って集落の中に入るのだ。
集落の中にある極楽寺はトイレが解放されていた。熊野古道を歩く人のために、ちゃんと配慮されているのだ。極楽寺から坂を下って、曲がりくねった道を行くと、左に中学校があった。これが集落の外れで、この先は緩やかな上りになる。坂を上り終えてから下ったところは広い十字路になっていた。熊野古道はここを右に行くのだ。
この先は新しい住宅地の中に入って、これが熊野古道でいいのか…と心配になったら、住宅地の途中で左折して畑の中を行くようになった。
この道には山桜が咲いていて、時々巨木がそびえ立っていたりする。自然あふれる道である。
再び集落に入ったが、やはり狭い路地を行く。石垣の長い塀が続くと思ったら、これは円満寺という浄土真宗のお寺であった。
狭い路地から車道に出て、道が左に曲がったと思ったら、そこに大きな石の鳥居がたっていた。これが塩屋王子神社であった。
長くて急な石段を登って行くと、両側にはすさまじいばかりの巨木が生い茂っていた。樹齢200年を越える天然記念物の巨木群なのだ。
広い境内の正面に本殿がある。境内を見回したが、王子跡という標識はたっていない。この神社は現役で存在しているのだから、それはいらないということなのか。
本殿の右に基壇があって、そこには自然石の柱たてられ、しめ縄が張られている。標識には御所の芝とかかれていた。前にも御所の芝ってあったけど…。
ここも後鳥羽院が休憩した場所のようである。
ところでこの神社は「美人王子」とも呼ばれることから、絵馬には美人が描かれていた。
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