鳳駅→等乃伎神社→鏡池→聖神社→信太の森ふるさと館→篠田王子→平松王子→放生池公園→泉井上神社→井之口王子→池田王子

和泉市の市街地を南下して行く。私にとってこのコースの一番は信太の森。安倍晴明の母、葛の葉伝説はこの地なのだ。そして、ふるさと館で小栗判官の知識を仕入れることができた。小栗判官はこのこの先、熊野古道とは密接に関わってくるのだ。



商店街を行く


立派な大型商業施設があった


富木バス停には熊野古道の石柱があった


等乃伎神社
 等乃伎神社
BACK 住吉大社から大鳥神社

2010311

昨日は和泉府中のネットカフェに泊まった。すごく眠たくて漫画やネットをやってる時間はなかった。
ネットカフェを出たのは
7時半頃。JR駅に行って鳳まで引き返す。昨日は鳳からネットカフェのある和泉府中まで電車を使ってしまったので、歩いたところまで引き返すのだ。
駅から北に向かうと、右に商店街の入り口があった。早朝のアーケード街は明かりがついていなくて、すべてシャッターも閉まっているものだから、寂れた商店街という感じだった。

アーケードを抜けて、さらに歩いて行くと熊野古道の説明板があった。地図もあるので、ここで右折することがわかった。路地を歩いて行くと、突然きれいな公園に出てしまった。広い公園の向こうには大型商店施設がたっていた。この公園の中を歩いて行ったが、車道に出たところで道がわからなくなった。(本当はこの公園の中を歩いてはいいけなかったのだ)
地図で確認して歩き始めたのだが、行く手にJR線が見えた。…方向が間違っていた。めんどうなので、国道にいったん出てしまうことにした。
国道を歩いて行くと、富木というバス停があって、そこに熊野街道の石標がたっていた。とりあえず道は間違っていないようである。
富木のすぐ近くには等乃伎神社があるので行ってみることにした。国道に神社案内の立て看板がるので、これに従って右の道に入った。でも、そのあとがよくわからない。あたりを見回したら神社らしき杜が見えるので、これを目指して行ってみた。杜の真ん前に着いたが神社の入り口がない。この杜の柵に沿って、ぐるりと半周して、ようやく鳥居がたつ参道に着いた。
中に入ると、けっっこう広い境内で、巨木がいくつも聳えている。この神社については古事記が巨木伝説を伝えているのである。



 信太の森 聖神社

高速の高架をきぐる


熊野街道の標識があった


鏡池


聖神社参道


聖神社


等乃伎神社の参拝を終えて国道に戻ろうとしたが方向を間違えて、まったく反対側に向かっていた。磁石を持ってきてよかったと思う。

国道に戻って、少し行くと字路があった。ガイドブックにある分岐点で、ここに畳屋があるはずだが…とよくみたら、確かにあった。この道は新しく造られたようで、広くて、歩道もしっかりとつけられているので、調子にのって歩いていたら、またまた分岐を見逃すところであった。広い道から右の路地に入るのだ。
この道はけっこう歴史を感じさせる道で、熊野街道にふさわしいと思ってしまった。行く手に高速道路の高架が見えてきて、これをくぐったところには熊野街道の木の標識があった。
この先は古い民家がたくさんあって、歩いていて楽しかった。
広い交差点に着くと、左に大きな石の鳥居がたっていた。これが聖神社の一の鳥居である。鳥居のそばにはこの周辺のガイド図もあって参考になった。一の鳥居から500mほど山に上ったところに神社があるのだが、神社周辺は「信太の森」であった。信太の森というのはあの有名な葛の葉の物語の舞台である。葛の葉というのは安部保名に命を救われた狐なのだが、安倍晴明の母といわれる。歌舞伎でも有名なのだが、葛の葉は
 恋しくば 訪ねきてみよ 和泉なる
 信太の森の うらみ葛の葉

の歌を残して立ち去るのだ。
その信太の森がここにある。往復
1kmはきついけど、行ってみるしかない。
坂道を上って行くと、すごく大規模な団地があった。この団地の前を道はカーブを描いて続いていて、その途中に大きな池があった。これが鏡池である。
鏡池のすぐそばには信太の森ふるさと館があるだが、これは後でゆっくり観ることにして、まず聖神社に向かった。
鏡池に沿ってつけられた遊歩道を行くと、姫塚古墳の説明阪が立っていて、その横に石棺らしき石組みがあった。
遊歩道から車道に出て、さらに坂道を上って行く。登り切ったところには赤い鳥居がたっていた。この鳥居の先で右の細い道に入ると、そこが神社の参道であった。
この神社の本殿は国の重要文化財に指定されている。色が若干はげ落ちていたが、すばらしい装飾である。本殿の横には檜皮葺の赤い社、瀧神社と三神社があるのだが、これも国の重要文化財である。本殿の右を奥に進むと平岡神社があった。これも趣のある社殿である。
本殿に手を合わせて引き返した。



 H篠田王子・I平松王子
信太の森ふるさと館


大鳥居に戻った


平松王子跡


ふるさと館に戻って、館長から小栗判官の物語をきいたのだが、なにかしら壮大な絵巻物語であった。
小栗判官は武蔵相模の郡代の娘「照手姫」と結ばれるのだが、父の郡代によって毒殺されてしまう。死んだ小栗判官は閻魔大王の裁きによって現世に送り返されるが、餓鬼の姿でしかもライ病にかかって歩くこともできない。でも、熊野の湯に入れば元の姿に戻ると言われ、地車に乗って、多くの善意の人に引かれて熊野「湯の峰温泉」を目指すのだ。そのルートが熊野街道で、この周辺では熊野街道といわずに「小栗街道」というのだ。

ふるさと館ではコーヒーまでごちそうになってしまった。
坂道を下って、鳥居に戻った。このすぐ近くに篠田王子跡があるので行ってみた。小さな標識があったので、これに従って細い道をあがると、石碑がたっていた。鉄網の柵の中には小さな社があったが、これは篠田王子と関係あるんだろうか。
道に戻って、集落の中を歩いて行くと、右手に八坂神社があった。この先で坂道が左に分岐している。この細い坂道が小栗街道である。
坂道を登り切ると放生池公園があって、この向かいに「平松王子跡」という石碑がたっていた。石碑の後ろは団地になっていて、まったく王子社の痕跡はなかった。
ついでなので、公園に入って放生池を眺めようとしたが、池なんてなかった。埋め立てられてしまったようで、グランドになっていた。公園の隅には立派な石の常夜灯がたっていた。



 J井之口王子


泉井上神社内の熊野神社


井之口王子跡にある子宝地蔵


篠田王子から坂を緩やかに下って行くと、左に自衛隊の駐屯地があって、さらに下ると、すぐ先で
字路になっていた。この右の路地を行く。
この道はすばらしかった。古い民家がたくさん残っていて、すごく楽しい道であった。途中、小栗街道と刻まれた石柱と、熊野街道の標識を見つけた。

古い町並みを歩いて行くと、右に石の鳥居がたっている。ここが泉井上神社であった。境内に入ると、本殿が二つあった。(一つは和泉国総社なのだ)
正面にあるのが泉井上神社で、この本殿の横には霊泉が湧いている。これが和泉の名前の起源なのだが、その霊泉が見つからない。よくよく探してみたら、本殿を囲む塀の中にあるのだった。隙間からのぞいてわかった。
泉井上神社には旧井之口王子神社の熊野神社も祀られているというので探してみた。小さな社が3つほどもあって、どれがそうなのかわからない。でも、やっと探し当てた。境内から少し離れているのだが、けっこうスペースをとった社であった。
泉井上神社を後にして、町中を行くと広い道と合流して、その先に柳田橋がかかっている。この橋の手前、右に子宝地蔵堂があるのだが、そこに「井之口王子跡」の石標がたっていた。泉井上神社の祀られた熊野神社はもともとはここにあったということだ。



 K池田王子

小栗橋と間違えた


小栗橋を渡る


JR久米田駅


池田王子の石標と間違えた


橋を渡ってすぐに、右の細い道に入る。ガイドブックには、ここに古い道標がたっていると書いてあるのだが、見つけることができなかった。本当にこの道でいいのか心配しながら歩いて行った。
小さな川に橋がかかっていたので、これがガイドブックにある小栗橋と思ったら違っていた。この川は槇尾川で、川に沿って公園が整備されていた。この公園を抜けると、大きな川にぶつかって、少し右にモダンな橋がかかっている。これが小栗橋で、歩行者専用の橋であった。一応道は間違ってしなかった。

橋を渡ると小田公園があった。この公園の中を通って、車道に出たが、どうも道がはっきりしない。自信がないまま歩いて行くと広い車道に出た。これを横切るのだと思って、磁石で確認したら、この広い道は南北をさしていて、道路標識には「府道大阪和泉泉南線」と書いてある。ここからはこの車が盛んに行き交う府道を歩いて行くのだ。
大町の交差点に着いた。このすぐ右にJR阪和線の久米田駅がある。この駅の裏が池田王子跡だというので行ってみた。この駅裏に行く道がなくてさんざん探しまわったが、結局、池田王子跡は、今は畑になってしまって跡形もなかった。
線路沿いに王子跡らしき石標を見つけたので近づいてみたら、「安全誓い」と刻まれたものだった。
府道に戻ってからガイドブックをよく見たら、ちゃんと「痕跡ない」と書いてあった。無駄なことをしてしまった。

車が頻繁に行き交う府道歩きが続く。この途中には積川神社の鳥居があるというので楽しみにしていたのだが、気がつかずに通過してしまった。また春木川にかかる轟橋も見逃してしまった。疲れて、注意力が散漫になっているのかもしれない。
久米田駅から府道に戻ったら、マクドがあったので、ここで30分休憩することにした。


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