峠から下って行くと、道は大きく蛇行を繰り返して国道まで続いているようである。でも、ずいぶん遠回りになっていて、これは熊野古道ではないようだ。でも、国道に降りれるのだったら仕方がないと思って下って行くと、突然熊野古道の指導標が現れて、私が歩いてきた道を横断するようになっていた。いったいどこに古道があったんだと思ってしまう。
ともかく、指導標に従って古道に入った。かなり急な山道で、これを下って行くと、道の右下には鉄道線路が見えた。どんどん下ってなんとか旧道に降り立つことができた。そこには大きな熊野古道の看板が二つもたっていた。
旧道を振り返ると、すぐ先にトンネルが見えた。昔の国道はこのトンネルで峠を抜けたらしい。
線路に沿って歩いて行く。線路のさらに向こうには海が広がっていて、白菊の浜という説明板があった。
このすぐ先で国道に合流した。この先の国道には歩道が設けられていたので、安心して歩いて行くことができる。
5分ほど歩くと、再びトンネルが見えてきた。
このトンネルの左に小狗子峠の登り口があるはずである。私はさっきと同じようトンネルのすぐ横にあるのだと思っていたらそうではなかった。100mほども手前に指導標があって、ここから果樹園の中を上るのだった。
芝生のような草つきの道を上って行くと、左には段々の水田が造られている。見事な棚田の眺めであった。
すぐに細い車道を横切って、民家の横を上って行くと竹林に入った。竹林は荒れ果てていて、竹がいくつも倒れてこんでいる。道も、岩が転がる険しいものになった。ようやく切り通しになった峠に着いた。ここには小狗子峠と書かれた小さな標識がたっているだけであった。
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