栃木県03 高原と牧場のみち

こぶがはら 標高 1378m
私が訪れたのは花がすばらしくきれいな時だった。絶景の連続で、私の一押しのコースです。

登山口→12分→へつり地蔵→30分→古峰ヶ原湿原→25分→天狗の庭→10分→三枚石→20分→方塞山→25分→牧場T字路→35分→象の鼻展望台→10分→井戸湿原→30分→横根山→15分→牧場分岐→30分→方塞山→15分→三枚石→20分→古峰ヶ原湿原→22分→登山口


 登山口から古峰ヶ原高原へ
登山口


階段を上がると林道に出た


何度も林道に出る


古峰ヶ原湿原に着いた

BACK 栃木25 稜線をたどるみち

201066

古峰ヶ原の登山口にある駐車場に泊まった。夜が明けるとは快晴で、登山旅行最後の日にふさわしい登山ができそうだ。
今日は二つの山に登るので、早めのスタート。身支度を終えて、歩き始めたのは
545分である。
手すりの柵が設けられた遊歩道のような道を歩いてゆく。柵の向こうは沢である。
すぐに階段の登りになって、この急な階段を上ると林道に出てしまった。ここには大きな岩がそびえていて、この上に御堂が見える。説明板がたっていて、これが「へつり地蔵」であった。御堂まで登ろうかと思ったのだが、その道はない。かすかな踏み跡はあるのだが、いかにも危なそうなので止めてしまった。
ここからは平坦な林道を歩いてゆく。少し行くとまた山道に入って、階段を上るとまた林道であった。葛籠折れの林道を登山道はショートカットで登って行くのだ。だから、林道を歩き再び登山道に入って、また林道に出るということを繰り返すのだ。道はすごく整備されていて、階段も新しい丸太で組まれており、沢にはちゃんとした橋が架けられている。
道ばたに関東ふれあいの道の石標を見つけた。この古峰ヶ原のコースはふれあいの道の「高原と牧場のみち」なのだ。

緑の林が続き、快適な散策路である。林の中には鮮やかなピンクのツツジが咲いている。今がちょうど満開なのだ。
楽しく歩いて行って、急な登りを終えたら車道に出てしまった。東屋がたっていて、車も停まっている。ここが古峰ヶ原峠であった。
東屋からは目の前に窪地になった草原が見えて、その中に満開のツツジの群落を見ることができる。ツツジが本当にきれいで、古峰ヶ原が一番きれいなときに来たらしい。
峠から指導標に従って歩いてゆくと、道に沿ってツツジの花が続いていて、それが朝日に映えて感動的な美しさである。



 三枚石へ
銀の鳥居があった


ツツジのトンネル


天狗の庭付近


三枚石


すぐに樹林の中に入るが、そこには銀の鳥居がたっていた。これから歩く道は三枚岩にある奥の院への参道でもあるのだ。

朝日のさす鮮やかな緑の林を歩いて行く。道はほとんど平坦で、登山というよりは森林浴の散策といった感じである。林の中には満開のツツジが咲いていて、何もいううことがない。
峠から15分ほどのところに二つ目の銀の鳥居があって、さらに30分ほど緩やかな階段を上ったり、大きな岩の間を登ったりして行くと、天狗の庭という標識があった。林のなかに苔むした大きな磐が点在して、日本庭園のような趣きなのだ。ここに小石を重ねたケルンのようなものがあって、そこに修験道の木札が置かれている。この山はやっぱり修験の山なのである。
この先も花がすごくきれいで、真っ白な花が満開の林があった。ツツジも満開で、このルートは花の路なのだ。天狗の庭から7分ほど行くと、道の両側に仏像がたっているのが見えてきた。ここが三枚岩であった。
登山道の左に広場があって、そこに御堂がたっている。これが金剛山瑞峯寺の奥の院なのだが、御堂はなぜか銀色のペンキで塗られていた。
お堂の後ろに大きな磐が立っている。確かに三つに割れていて、三枚岩という名前の通りである。でも、説明板を呼んだら、三枚は三昧が転化したというのが本当らしい。日光開山の祖、勝道上人がここで座禅修行したことから三昧石と呼ばれたというのだ。三昧というのは仏教用語で、雑念を捨て精神を一つの対象に集中することである。

ここで少し休憩することにした。
広場には夫婦岩があったり、石碑がたっていたり、ツツジの花もきれいだ。御堂の中を覗いてみたら、御堂は大きな磐に接していて、岩の間に金色の仏具が置かれていた。



 方塞山から象の鼻展望台へ
ツツジ平


方塞山山頂


T字路を右折して車道に出た


T字路から車道に出る


前日光ハイランドロッジ


左折すると井戸湿原


象の鼻展望台


三枚石から歩き始めたすぐのところに水場の指導標があった。「金剛水
70m」と書かれていたが、面倒なので立ち寄らなかった。
すぐにツツジの大群落の中に入った。ここはツツジ平というのだ。頭上にはまっ白な花が咲いていて、青空に白い花が美しく映えている。
気持ちのいい林のなかを15分ほど行くと指導標の立つ広場に着いた。ここが方塞山山頂なのだが、ここまではまったく急な登りがなくて、本当に山頂なのかと思ってしまった。指導標から少し奥に行くと草原が広がっていて、右手の小高い丘の上に電波塔がたっている。本当は、電波塔の丘が山頂なのかもしれない。
ここで登山道は左折して緩やかな下りになる。どんどん下って行くと、右には広大な草原が広がっている。これは牧草地なのだ。やがて、急な階段の下りになって、道の右には牧場と隔てる有刺鉄線の柵が続くようになった。大草原の奥には山の連なりが見える。なんてのどかな風景なのだろうと思う。
道は牧草地と樹林の境界に続いていて、牧場に沿って右にカーブして行く。方塞山から
20分ほど来たところに関東ふれあいの道の案内板がたっていて、T字路になっていた。ふれあいの道はここで右折して牧場の中の車道を歩いて「前日光ハイランドロッジ」に向うのだ。私は真っ直ぐに横根山を目指して、井戸湿原からは単純に引き返すつもりでいた。でも、この案内板の地図を見ると、ロッジから象の鼻を経由して井戸湿原に行くことができる。井戸湿原からは横根山に登ってここに引き返して来れるのだ。
象の鼻というのは日光連山のすばらしい展望台らしいので、先に象の鼻に行った方がよさそうだ。朝の今なら空気が澄んでいるが、時間がたつにつれて雲が湧き出すからだ。

予定を変更してふれあいの道を行くことにした。
すぐに車道に出て、アスファルトの道を歩いて行く。道の両側はいかにも牧場の中で、白い柵が続いているのだ。牧場の中には牛がのんびり寝そべっているのも見える。緩やかにカーブを繰り返して歩いて行くと、たった今登ってきた方塞山が見えた。さっきは山頂というは感じがなかったが、ここから見ると、ちゃんとした三角峰で、その頂きにに電波塔が立っているのだ。
10分ほどのんびり歩いて、緩やかに登ったらハイランドロッジに着いた。ここにはたくさんの車が停まっていて、身支度をしているハイカーがちらほら。今日は日曜日なのだ。ツツジの満開のこの時期なので井戸湿原に向かうハイカーが多いのだ。
ロッジの先は車両通行止めである。
アスファルトの道は緩やかな登りになっていて、牧場の中の牛を見たり、草原の中の樹木を眺めたりして歩いて行く。ふと振り返ったら方塞山の右に日光の男体山が見えた。方塞山の右にも山の連なりが見える。象の鼻の展望が楽しみになった。
早足で歩いて行くと、大きなカメラを持った人とすれ違ったが、彼がいうには象の鼻からは富士山も見えたという。ますますうれしくなった。

急ぎ足で歩いて行って、ロッジから15分ほどで象の鼻展望台に着いた。
ここには展望図があって、ここから見える山を特定できるのだ。
正面の山の連なりは袈裟丸山から庚申山に続く稜線で、その右の鋭い三角の山が皇海山であった。袈裟丸山の左奥に見えるのは赤城山である。さらにその左、目を凝らして見たら、雲の間に富士山が見えた。富士山が見えると私はうれしくなってしまうのだ。
皇海山の右に雪が残る山が見える。これは日光白根山であった。そして方塞山の右に見える男体山、その右隣に聳えるのは大真名子と女峰山であった。
絶景としかいいようがない。時間をかけてこの大パノラマを眺めていた。



 横根山から来た道を引き返す
樹林の中を下る


井戸湿原


木道を行く


横根山への登り


横根山山頂


名残は尽きないのだが、今日はもう一つ山に登るつもりなので、先に向う。

象の鼻から指導標に従って林の中に入る。この近くに仏岩があるはずなのだが、結局わからなかった。林のなかを階段で下って行くと、10分ほどで湿原荘への分岐に着いた。直進方向は「井戸湿原周回コース」となっている。どっちへ行くべきか悩んだのだが、直進することにした。
満開のツツジを眺めながら歩いてゆくと木道になって、さらにツツジの大群落を抜けると、林のなかに再び分岐の指導標があった。ここで木道を直進すると湿原の中に入った。
湿原は期待したほどではなくて、まだ季節が早いようであった。湿原を囲む樹林の中に赤いツツジの花が見えている。湿原の木道では何組かのグループとすれちがった。ハイカーが多いのだ。
湿原を横断して樹林の中に入り、急な階段を登るとベンチがいくつもある広場に着いた。たくさんのハイカーが休憩していた。ここが湿原荘跡であった。
休むことなく、すぐに横根山に向う。丸太の階段を上って、傾斜が緩まったら木道があった。もう一度急登してピークに着く。中継局の施設があったので、ここが山頂かと思ったらそうではなくて、さらに緩やかな尾根道が続くのだ。横根山は細長い稜線を持っているようで、ほとんど平坦な道が続く。満開のツツジが多くて、すごく気持ちのいい道である。横根山まで100mの指導標が現れると、さすがにこの先は急な階段の登りであった。
山頂は樹木に囲まれた狭い広場で、大きな指導標と、その下に二等三角点があった。時間は940分になっていた。樹林の間から皇海山の稜線を眺めることができた。
横根山からツツジの花の混じる樹林を下ると、5分ほどで左に牧草地が見えるようになった。少し行くと「第二分岐点」という古い標識があったが、ここに分岐はない。不思議な標識である。
樹林の中を緩やかにアップダウンして、ふれあいの道の分岐に戻ったのは10時ちょうどであった。あとは登ってきた道を引き返すだけである。
三枚石には1040分、古峰ヶ原峠に戻ったのは11時5分である。峠には車がいっぱいで、大型バスも停まっていた。この山のことを私はまったく知らなかったのだが、人気があるコースなのだ。朝とちがって、強い日差しのもと、満開のツツジはいっそう鮮やかであった。
登山口の車に戻ったのは1130分である。


NEXT 石裂山

BACK 関東ふれあいの道

BACK 私の関東の山百選





総合TOP My日本の山  My日本の道  日本の旅  自己紹介






























inserted by FC2 system