東海自然歩道 三重の道


野営地→遍照寺→桃林寺→椿大社→内部川渡渉→もみじ谷→雲母高原入り口→湯の山温泉→休憩所

桃林寺の休憩所はよく整備されたところだった。椿大社から内部川に向ったが、この川には橋がなくて、渡渉するのに苦労した。
雲母高原を通るつもりだったが、通行止めで今日は早めに切り上げて、湯の山温泉でのんびりしてしまった。
桃林寺

 桃林寺へ
小岐須の集落が見えてきた


桃林寺


境内の三十三観音石仏


境内のしだれ桜

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2004年112

真夜中、眼が覚めるとテントが明るく照らされている。
ゲッ、車が入って来たのかと思ったが、エンジンの音がしない。不思議だなぁと思っていたら、この灯かりは月の光であった。月の光って、こんなにも明るいものだったのだ。

朝、6時に行動開始。テントを畳んで、パッキングを終えて歩き始めたのはやっぱり7時であった。
今日はすばらしい天気で、青空が広がっている。歩いて行くと左手には山並みが続いていて、自然歩道はこの山裾に沿って行くのだ。この山並みが鈴鹿山脈である。
このあたりには茶畑が広がっていて、鈴鹿の山並みや茶畑を見ながらのんびりと歩いて行くと小岐須の集落が見えてきた。小川を渡って集落に入ろうとするところで、お寺の鐘楼が見えた。これが遍照寺、後ろの山は採石場のようで、山肌が無惨に削り取られていた。
細い道に入ると小岸大神社があって、そこから少し行くとお寺の境内に出る。ここが「桃林寺」であった。自然歩道はこのお寺に裏から入って行くのだ。
境内には三十三観音の石仏を祀るお堂があった。一体一体じっくりと参拝してしまった。
桃林寺は春は桜、秋は紅葉で有名なようで、境内井にはしだれ桜があった。紅葉はもう終わっていて、桜も春まではまだ遠い。季節を選ばなきゃいけないよなぁ…。
この寺は養和元年(1181)の創建というから古寺といってよくて、東海四十九薬師霊場八番札所でもあるのだ。ただし、本尊は釈迦如来なのだが。
参拝をすませて、山門から外に出るとお茶畑が広がっている。そして
山門のすぐ左にりっぱな休憩施設があった。トイレもある。ここで残っていたカップ麺をつくって食べることにした。水も補給した。



 椿大神社からもみじ谷へ
樹林の中を行く


鍋川を飛び石で渡る


椿大神社境内


用水池のほとりに着いた


内部川を渡る、橋がない


もみじ谷入口


815分、桃林寺を出発。すぐに道が分からなくなってしまった。境内の近くをうろうろしたがわからない。
よく見たら、目指す方向とはまったく違う山に向かう道がある。まさか…と思いながら少し行くと道標があって、これが自然歩道ということがわかった。
山襞にそった樹林の中の道を行く。
樹林から抜けると川の流れがあって、この川に沿って北上して行く。地図と照合すると椿大神社は近い。
お土産屋さんがあって、そこが椿大神社の入り口であった。
杉の大木が並ぶ参道を行く。左に猿田彦の石像があった。椿大神社は猿田彦神社の総社なのだそうだ。
正面突き当たりの本殿にお参りをしてすぐに引き返したが、林の中に赤い社殿を見つけた。行ってみたら天之鈿女命(あめのうずめのみこと)を祀る「別宮椿岸神社」であった。天之鈿女命といったら、天照大神が天の岩戸に隠れたとき、岩戸の前でストリップまがいの踊りをした女神である。知らなかったのだが、天之鈿女命は猿田彦の妻であった。
参道をさらに引き返して行くと、柵で囲われ、注連縄が張られた神域があった。「御船磐座」で、天孫瓊々杵尊(ににぎのみこと)が高天の原から天下ったとき、御船はここに繋がれて、それから九州に先導されたのだそうだ。すごい、この神社は神話の世界そのものではないか。
感動して神社を後にした。
鳥居をくぐって外に出る。自然歩道の指導標の方向が微妙でどっちの道を行ったらいいのかわからない。とりあえず歩いていったが、方向が少し違うので引き返した。

人家の中の道を行くと、すぐに左に入る道があった。ここから再び山の中に入って行く。
樹林の中、山襞に沿ってくねくねと曲がり、小さなアップダウンを繰り返して歩いて行く。40分ほど行くと林から抜け出して、用水池のほとりに出た。そして少し行っくと川の流れに突き当たった。内部川で、自然歩道はこの川の流れに沿って下って行く。
しばらく行くと、指導標が川の方向を指していた。これはなんだと思ってしまう。別に橋があるわけでもなくて、まさかこれを徒渉しろというのではないだろうな…と思ったのだが、対岸になにかしら指導標らしきものが見える。

渡ることにした。
川の流れはちょうど水量が少なくて、浅瀬になっている。
なんとか渡れそうである。靴を脱ぐことなく渡ることができた。
川に沿って少しだけ溯って右の道に入る。ここから畑の中を行くが、すぐに樹林の中の、谷に沿った道になった。
今、宮妻渓谷を目指している。この流れもその渓谷の一部なんだろうかと思ってしまう。

ようやく林から抜け出すと、そこが「もみじ谷」の入り口であった。時間は1015分になっていた。
ここで少し休憩。
もみじ谷はまだ紅葉が始まっていないため、たんなる谷筋の道で面白くはなかった。



 もみじ谷から湯の山温泉へ
もみじ谷の宮妻口


木漏れ日の林道を行く


湯森林道は通行止めだった



近鉄湯の山温泉駅


日帰り温泉にやってきた


休憩施設の中にテントを張った


もみじ谷から舗装道路に上がる。集落を抜けると茶畑が広がった。でも、すぐに林道に入って、杉林の中を行く。林道とはいえ、道は荒れていた。少年自然の家近道などという指導標が立っていたりする。
林道を40分ほど曲がりくねって歩いてゆくと、ようやく林から抜けて、そこが雲母高原の入口であった。1120分になっていた。
ところが困ったことが起きた。雲母高原に向かう林道は閉鎖されていたのだ。林道の崩壊があったため、この道で湯の山温泉に抜けることはできないのだ。車だけが通れないのかとも思ったが、わざわざ「東海自然歩道は…」と書かれているので歩いていっても無理なんだろうと思う。この道を行くのはあきらめることにして、近鉄湯の山温泉駅に向かうことにした。
実はけっこう疲れ果てていて、なんか休みたくなってしまったのだ。それに歩き始めて3日目で、近くに温泉があるとわかってしまうと、湯に浸かりたくてしょうがなくなったのだ。
ちょっとわかりにくい道を駅に向かって下ってゆく。25000分の1の地図が役にたった。近鉄駅前からガイドブックに紹介されている「ヘルシーパル湯の山」(今はホテルウェルネス鈴鹿路)に向かった。この温泉はすぐに見つけることができた。ここの温泉は
525円、薄汚れたかっこうで受け付けをして、大きなリュックをどうしようかと思ったら、事務所が預かってくれた。
3日分の汗を流して、着替えもしてさわやかな気分になった。
今日はもう歩くのはやめて、この湯の山でのんびりしてしまうつもりである。
この温泉を出るときに受付でスーパーはないか訊いた。
駅の方向に戻って橋の手前左に行くと、小さなスーパーがあるのだ。ここで買い出し。肉も買った。今日は久しぶりに焼き肉だ。ところがこのスーパーには酒を売っていなかった。レジで酒屋さんを訊いて、駅前のお土産屋さん兼業の酒屋でビールを仕込んだ。ついでにウィスキーもなくなっていたので、これも買った。食糧もいっぱいになって、なんかうれしくなってくる。ともかく、自然歩道のコース上には本当にお店がなくて、あっても品数がすくなくて満足のいく食糧が仕入れられなかったのだ。
国道477号線に出て、この道をたどると希望荘に着いた。このすぐ近くに休憩施設がある。今日はここにテントを張ろうと思っているのだ。トンネルで国道477号線をくぐるとそこが休憩所。
東屋があって、その半分が板敷きになっている。そこはシュラフで寝るにはぴったりの場所である。ここから階段をあがったところが国道で、そこにトイレもある。野営するには本当にぴったりの場所である。
まずビールを飲む。久しぶりのビールはすこぶるうまかった。ビールの苦さがここちよい。
焼き肉をして、晴れた青空を見上げて、大満足。
まだ15時である。
のんびり本を読んで時間をすごし、夜は東屋の板敷きのところにテントを張って寝た。温泉にも入ったので熟睡できた。


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