東海自然歩道大阪の道/.


原立石バス停→摂津峡大橋→白滝茶屋→スポーツ公園→萩谷→竜仙の滝→車作大橋→竜王山→忍頂寺→キリシタンの道→キリシタン遺物資料館→千提寺前バス停

2年前に原立石から西に向かって歩き始めた東海自然歩道も柘植まで行ってしまったので、今度は残された区間、箕面までの道を歩こうと思って出かけた

摂津峡

 原立石から摂津峡へ
原立石のバス停


摂津大橋


摂津峡が始まる





BACK 忍頂寺から箕面へ

2004210

今日は建国記念日で、天気予報は晴れとなっている。
寒いとどうしても外へ出るのがおっくうになってしまうのだが、今日こそは出かけようと思っている。
今日は東海自然歩道の摂津峡から忍頂寺まで歩くつもりだ。
私がこちらに引っ越してきて最初に歩いた東海自然歩道は神峰山寺からポンポン山のコースであった。以来、東に向かって歩き続けて、本コース・サブコースともに柘植に着いてしまったので、今度は神峰山寺から西に向かって歩こうというわけである。
今回のコースの目玉は「摂津峡」である。桜や紅葉の季節は人でごったがえす観光地なのだが、今は2月である。当然桜も紅葉もない。

家を出たのは7時半。高槻までは定期券があるので、(私の職場は高槻なのだ)交通費はただ。
高槻からバスに乗る。このバスは駅の北口から出ている。
原大橋行きのバスに乗って、原立石に着いたのは8時半。このバス停の一つ手前が「上の口」で、自然歩道はこのすぐ近くまで引き返すことになる。上の口というのは、摂津峡の上の入り口という意味なのだ。
小川に沿って歩いて行く。実はこの小川が上流で渓谷美を作り出しているのだ。
自然歩道がこの小川にかかる橋を渡る。橋の名前は「摂津峡大橋」という。ごく小さな橋なのだが。
ここから川を見ると、釣り人がいっぱい糸をたらしていた。
川を少し離れて林の中を行くと、すぐに行き止まりで、川に向かって降りて行く細い階段がある。ここから摂津峡は始まる。
すぐに、流れが小さな滝をつくっているのをみる。
この摂津峡、桜とか紅葉のときはすばらしく美しいらしいのだが、今は冬のため、寒々とした感じであった。これで雪でもあったら、それなりに風情があるのかもしれないのだが…。
渓谷にそって遊歩道を歩いて行く。
高槻市街からそれほど離れていないところにこんな美しい渓谷があって、しかも流れる水は思ったよりも澄んでいる。これはけっこう驚きでもある。
10分も行くと白滝茶屋があって、谷が合流する。自然歩道は右の谷に入って行く。地図を見ると真っ直ぐに行くと桜公園に着くのだが、その途中が摂津峡と書かれている。私が通ってきたのは、もしかしたら摂津峡のほんの端っこだけだったかもしれない。



 車作集落へ
摂津峡から離れる


竹林に入る


萩谷の集落を行く


車作大橋を渡る


車作の集落に入る


指導標に従って歩いて行くと、東屋があって、その先に分岐があった。そこに立つ指導標には落石があるので迂回路を通ってくれと書かれたカードが下がっていた。ところがそこに書かれている地図がよくわからない。現在地が書かれていないのだ。
ともかく自然歩道の指導標に従って歩いて行くことにした。
しばらく行くと、流れから離れて上に登って行くようになる。登り切ったところはスポーツ公園で、野球場とかサッカーグランドが広がっていた。この公園の中に作られた真新しい道を行く。
どんどん登って行くと竹林に入って行き、これを抜けると萩谷の集落に着いた。この集落には、けっこう古い感じの家があって、情緒がある。
萩谷の集落から一段登るとアスファルトの広い道に出た。そこにはバス停があって、横に新しい東海自然歩道の案内板が立っていた。
自然歩道はこのアスファルトの道を南下するのだが、この道は春だと桜の並木のすばらしいコースなのだ。でも今は2月、花を期待してはいけないのだ。
私はもう一つの「健脚コース」という、山に向かって登って行く道を選んだ。

緩やかな登りが続く。山道を登って行くと、竜仙峠に着いて、最後に急な道を少し下ると滝の前に着いた。これが「竜仙の滝」である。
私は滝が好きで、すごく期待していたのだが、水が少なくてまったく迫力がない。でも、細々と落ちている感じも情緒があっていいのかもしれない。
この滝からはすさまじく急な道を下る。これで健脚コースの意味がわかった。反対側から来たら大変だろうと思う。下りでよかった。
アスファルトの広い道に出て、これを少し行くと橋がある。その手前に左に入って行く広い道があって、そこにも立派な自然歩道の案内板が立っていた。これが萩谷から来る自然歩道の一般コースなのである。
橋を渡ると右に入る林道があった。「車作」集落に向かう道である。どんどん登って行くと集落の中に出た。すごい山の中で、急斜面にへばりつくように家が建っている。
この地では良質のケヤキを産し、それで作った御所車を天智天皇に献上したのだそうだ。そのことから「車作」の地名がついたらしい。
自然歩道から車作の集落が見下ろせる。本当に山の斜面に作られた集落である。
集落を見下ろしながら歩いて行くと「経塚碑」に着いた。ここは清水寺廃寺跡である。この経塚は高山右近が切支丹宗を信仰し、清水寺を焼いた時、その僧徒が逃れた経文を埋めたという伝説があるのだ。



 忍頂寺バス停へ
竜王山へ登って行く


不動岩の石仏


竜王山三角点


竜王山の展望台



蛙岩


経塚碑から細い山道を登って行くと再び舗装された道に出る。ここには、自然歩道は左に行くとする指導標が立っていたが、もう一つ「竜王山自然歩道」の指導標もあった。竜王山の方向は自然歩道とは逆の右になっている。竜王山自然歩道には不動岩とか穴仏とかの名も見える。こっちの方が面白そうなので、東海自然歩道とは逆の道を行くことにした。
これは失敗であった。すさまじく遠回りなのである。
とはいいながらなんとか不動岩に着いた。期待した穴仏は岩窟があるだけで、石仏はなかった。
そして、急な道を登ってようやく「竜王山」山頂に着いた。
三角点は樹林の中にひっそりとおかれていたが、振り返った山頂広場にはすさまじく大きな展望台が建っていた。それも新しい。その横にはなぜか、古いぶらんこが2つも置かれていた。この山頂はいったい何ナノだと思ってしまった。
公園にあるようなベンチに座って、昼食をとる。
最近は魔法瓶にお湯を入れて持ってきていて、そのお湯でカップラーメンを食べることにしている。山頂で食べると、これがけっこううまい。
残ったお湯でコーヒーを入れて飲んで、昼食はおしまい。
展望台に登ってみた。けっこう高くて、すばらしい展望を期待したのだが、今日はうす曇りで、遠くの景色は白く霞んでよく見えなかった。本当は大阪平野が一望できるはずなのだ。
山頂から下って行くとお寺の境内を通る。宝池寺でここからは石段を下る。
林道に出ると、右手上に大きな岩があって、案内板に「蛙岩」と書かれていた。確かに大きな岩があった。だけど、私には蛙には見えなかった。
急な石段を下ると舗装道路にぶつかって、ここに忍頂寺のバス停があるはずである。
右に行くとガソリンスタンドがあって、その向こうにバスのターミナルがあった。と言っても、道端のバス停にある待合所が1個、ぽつんと建っているだけなのだが。
バスが停まっていて、私が着くとすぐに出発して行った。それが茨木行きで私が乗らなければいけない便である。でも、あわてない。時間はまだ
2時なので、もう少し歩こうと思っている。
小さな待合所の中に貼ってあるバスの時刻表を確認した。毎40分頃にここを出発している。
これにあわせて、途中のバス停に着くようにしたらいい。



 キリシタン自然歩道を行く
キリシタン自然歩道を行く


民家の前に銅像が立っていた


キリシタン遺物資料館があった


千提寺バス停からバスで帰った


私が忍頂寺から歩こうとしているのは、東海自然歩道ではなくて、「キリシタン自然歩道」である。
そもそも高槻というのは、キリシタン大名高山右近が治めていたところなのだが、その時の信者が隠れキリシタンとして存続していたのである。豊臣秀吉によって禁じられたキリスト教が300年もの間、脈々と引き継がれてきたというのは驚嘆に値する。
大正になって、初めてその事実がわかったのである。
その道を歩こうと思っている。
自然歩道の入り口から少し南に行ったところに、キリシタン自然歩道と書かれた大きな指導標が立っていた。
田んぼの横の道を歩いて行く。
なんかしらキリシタンに関連した遺跡があるのだろうと思ったのだが、そんなものはまったくなくて、ただその雰囲気を楽しむだけなのだ。
30分ほど歩いて集落に出ると、T字路の突き当たりにキリシタンらしい銅像が立った家があった。このあたりに「キリシタン遺物資料館」があるはずなので、この家のことだろうかと思ったが、普通の民家のようである。
周辺をしばらくうろうろしたが、資料館が見つからない。
仕方がないので、このあたりの人に尋ねてみると、さっきのT字路を右に登っていくのだそうだ。5分ほど林の中の舗装道路を登って行くと集落に出て、そこに資料館があった。
ところが、それは閉じていた。祭日は休館日なのだそうだ。
休みの日しか観光客はこないだろうに、それを休んでしまってどうするんだと思ってしまう。
ともかく、この資料館では、隠れキリシタンであった家々に保管されていた遺物をまとめて保管しているらしいのだ。
それで、さっき銅像の立っていた家はこの遺物を提供した家ということになる。
私が持っている昭和49年に発行された東海自然歩道のガイドブックでは、こうした遺物を見るためには、個々の家を1軒づつ訪ねるしかなかったのだそうだ。
ともかく、今日は資料館の見学はできない。
しかたがないので、そのままバス停に向かった。
千提寺口バス停からバスに乗って茨木に向かう。
家に着いたのは5時半であった。



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