東海自然歩道 京都の道



ポンポン山→釈迦岳分岐→金蔵寺→大原野神社→勝持寺(花の寺)→沓掛バス停

ポンポン山から下ると、ようやく京都府に入る。
私が本当に若かった頃、京都・奈良の古寺を巡るのが趣味で、その道すがらで東海自然歩道を知ったのだ。だから、京都に入ると私の大好きな古寺がいっぱいで、自然歩道よりはお寺の参拝に多くの時間を使ってしまうのだ。
大原野神社

 金蔵寺から大原野神社へ
ポンポン山から下る


道が平坦になった


金蔵寺の仁王門

BACK ポンポン山


2002年4月27日

ポンポン山山頂から
20分程下ると釈迦岳との分岐点に出る。ここから先は京都府である。大阪の道とおさらばして、北に続く尾根を進むと杉谷の分岐。右に行くと善峰寺で、ガイドブックではこの寺を今回のコースの終点としている。
私はさらに先に進むので、そのまま稜線を行く。けっこう急な道を下って逢坂峠に着き、さらに林道をしばらく行く。林道から再び山道に入って、またまた急な道を下ると金蔵寺に着いた。
お寺の入り口には10人ほどの人がたむろしていて、白装束の人も数人いる。彼らはこのお寺の参拝者のようである。
金蔵寺に参拝すことにして、石段を少し登ると真新しい朱塗りの門が建っている。門の入り口の真ん中に賽銭箱のようなものが置かれてあって、入門する人に寄付の呼びかけがされてあった。
この仁王門をくぐって、石段を登る。
金蔵寺は奈良時代の養老2年(718)開創というから、すごい古刹である。私は古寺巡りが大好きなので、時間をかけて参拝させてもらった。



 大原野神社から花の寺へ
車道をショートカットする


大原野神社一の鳥居に着いた


大原野神社拝殿


花の寺の山門


花の寺境内


境内のツツジ


花の寺を辞する


金蔵寺からは一気に大原野に下る。道はすぐに舗装道路に合流するが、この車道は大きなカーブの連続になっている。自然歩道はそれを縫うようにショートカットして続いている。
この道はかなり急であった。
突然、視界が開けて、集落に出る。そこはもう京都洛西、大原野であった。
ここであっさりと道を間違えてしまった。
指導標の案内が極めてわかりにくかったのだ。20分ほど迷って再び最初の指導標のところに戻ってきた。
指導標というのは、柱があって、そこに進行方向の方角に案内板が突き出されいるのが普通なのだが、案内板は右方向に突き出されているのに、よく見ると、案内板に矢印が書かれていてそれは左を指しているのだ。
こんなのインチキだと叫びたくなった。
まず大原野神社に向かう。大きな石の鳥居をくぐって長い参道を行く。
本殿はこじんまりしているが、桧皮葺の屋根がひどくすっきりしていて、美しさを感じる。
ここから花の寺を目指す。大原野神社からほんの少し行くと大きな門があって、これが花の寺の山門なのだ。

長い石段を登って行く。500mほどある。
花の寺の入り口の門はさっきの門に比べると、ひどく小さい。門を潜って拝観をお願いした。
花の寺は正式には「勝持寺」といって、天台宗の寺である。
本堂に上がると、右に宝物館がある。
正直に言ってしまうが、私が関西最初のウォーキングでこのコースを選んだのは、ここにある如意輪観音像を見たかったからなのだ。
ところが…、それはなかった。
宝物館にはたくさんの仏像が安置されていて、両端には大きな仁王像、その内側には十二神将が並んでいる。
真ん中に座す本尊は薬師如来である。脇侍として日光月光の菩薩像が立っている。
期待の如意輪観音がないのでがっかりしてしまった。
あの観音像は花の寺にあったのではなかったのか、自分の勘違いか…と思ってしまった。
ただ、ここの薬師如来はすてきだった。鎌倉時代のものなのだが、金箔が剥落して黒く光っている。
印の結び方が変わっている。普通、薬師如来は施無畏、与願の印で、左手の与願印の上に薬壷を持つ。
ところがここの薬師の右手は、薬壷から薬をつまみ出しているかっこうなのだ。
この薬師如来にはけっこう惹かれてしまう。
期待の如意輪観音には会えなかったけど、満足。
ここ、花の寺の庭は桜の花が美しいことで有名で、満開のころに来たらすばらしいんだろうと思う。境内には「西行桜」という桜の木もある。
花の寺を出ると案内があって、願徳寺はこちらと書かれ、そこに国宝如意輪観音とある。もしかしたら、私の会いたかった観音像はこれではないかと思って、このお寺も拝観することにした。
願徳寺は花の寺のすぐ隣にある寺院で、拝観を乞うと本堂の前で待って欲しいという。本堂の閉ざされた扉の前に行くと、住職が出てきて扉を開けた。
中に入って正座して正面を見ると、そこには私が求めていた観音像が安置されていた。
住職本人が説明をしてくれた。この観音の説明に入ると、中の照明が消されて、この観音だけがライトアップされた。闇に浮かぶ観音像はすばらしく美しかった。
お礼を言って外へ出るときに、「昔は花の寺にあったと思うが…」と訊いてみると、6年前まで花の寺に預けてあったのだが、返してもらったのだそうだ。
納得した。

花の寺からは竹薮の道を下って行く。住宅の中の道に出て、筍の直販店を見ながら行くと、国道に出る。
ここが今日の終点、沓掛である。


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