東海自然歩道大阪の道.


忍頂寺バス停→素戔嗚尊神社→泉原→北摂霊園→開成皇子の墓→最勝峰山頂→政の茶屋→東海自然歩道起点→箕面ビジターセンター→箕面大滝→阪急箕面駅


この箕面が東海自然歩道、西の起点であり出発点でもある。私が二十歳の頃、初めて東海自然歩道を歩いたときのことを思い出してしまった。


箕面大滝

 忍頂寺から素戔嗚尊神社へ
忍頂寺のバスターミナル、ハイカーがいっぱい


忍頂寺前、摂津峡へは石段を上がる


田んぼを見ながら行く


泉原の集落に入る


素戔嗚尊神社本殿


2004
215

私は今、京都府向日市に住んでいるのだが、ここにいて歩ける東海自然歩道の範囲は箕面から柘植までの間だろうと思っている。
柘植は石山寺で分かれた本コースと奈良を巡るサブコースが合流するところで、この先は三重県になるため、名古屋圏ある。だから、京都に住んでいる今の目標は、西のスタート点である箕面から柘植までのコースを歩くことなのだ。
今日はその目標の最後の区間、忍頂寺から箕面までを歩こうと思っている。
前回歩いたときに茨木駅発のバスの時間は調べてある。1時間に1本しかないのだ。
阪急の茨木市駅に着いたのが820分、バスターミナルに行くと、登山姿の中高年がたくさん乗ったバスが停まっている。これかと思って乗り込もうとしたら、貸し切りバスなのだそうだ。最近の老人たちのアウトドア熱はすごい。
茨木から忍頂寺までは乗車時間が50分もある。バスは北に向かってひたすら走り続け、どんどん山の中に入って行くのだった。
忍頂寺のバスターミナルで降りる。
私が乗ったバスにも中高年のハイキンググループが乗っていて、私が出発前の準備をしていたら、広場の真ん中で準備体操を始めた。本当に元気なものである。ただ、私は20人以上もの人数で群れて歩くのはきらいである。他のハイカーに迷惑なことが多いのだ。
自然歩道を行く。
自然歩道は一旦西北に向かって登って行き、上音羽という集落でV字に曲がって南に向かう。この「上音羽」という集落も隠れキリシタンの里である。
田んぼの間の道を行くと、中高年の集団にすれ違った。見ると全員が地図を持って歩いている。彼らはオリエンテーリング(OL)をしているのである。そういえばポストがあった。
ただ、地図は持っているのに、ほとんどの人が磁石を持っていないということが気になった。読図には磁石が欠かせないはずなのだが…。
舗装道路を横切って、再び山間の道に入る。
30分ほど行くと泉原の集落に着くが、古い家並みが残っていて、すてきな雰囲気だ。
民家の細い道を行くと、大きな古木があった。推定樹齢が500年という赤樫で、これだけの古木になると、何かしら神々しさを感じてしまう。
右に神社があった。素戔嗚尊神社である。
あの八俣の大蛇を退治したスサノオノミコトを奉っているのである。
神社の境内は村の鎮守さまのようで、名前で期待したような大袈裟なものではない。




 泉原集落から政の茶屋へ
泉原の古い民家


東海自然歩道の大きな案内板があった


北摂霊園に着いた


勝尾寺の分岐


政の茶屋をさす指導標


開成皇子の墓




これを下ると政の茶屋


素戔嗚尊神社の前を直角に左に曲がる。泉原の集落を行くのだが、古い家並みが続き、けっこう感動してしまう。
すぐに右に曲がって、山の方に向かって登って行く。山襞に沿った曲がりくねった道が続く。

少し下ると府道に出た。この道を行くと大きな交差点があって、バスがやってきた。けっこう山の中にいるつもりだったが、バス路線の道だったのだ。
田舎道を歩いて行くと、柵があって、その中に大きな鳥がいた。驚いたことにダチョウであった。ダチョウを飼ってどうするんだろうと思ってしまった。
東海自然歩道の大きな案内板があって、ここから山道に入る。砂防ダムを右に見て登って行くと、樹林の中を行くようになった。
林の中の山道をひたすら歩く。
新しい丸太の階段があって、この急な道を登ると突然舗装道路に飛び出してしまった。そこには広大な墓地が広がっていた。北摂霊園であった。この墓地の中はバスが通っていて、大阪近郊の墓地ってすごいのだ。
ともかくこの舗装道路を行く。どんどん行くとバス停があって、その横に待合所があった。12時を過ぎたころなので、この待合所で昼食にすることにした。
この待合所の中は風が入ってこないので、それなりに暖かい。
いつものように、ポッドのお湯でカップラーメンを作って食べて、残ったお湯でコーヒーを入れる。あったかいコーヒーを飲むと、ほっとする。
さて、先を進む。このバス道をどんどん行くのだが、東海自然歩道への入り口が見つからない。とうとう、道はジグザグの下りの道になってしまった。
地図と比べてもこれはおかしい。自然歩道の入り口を見逃してしまったようである。
引き返す。これは登りになる。道を間違えて引き返すときは疲れが倍加するのだが、それが登りだとなおさらである。
北摂霊園まで戻ってしまって、ようやく自然歩道の入り口を見つけた。北摂霊園は山の稜線の北に造られているのだが、自然歩道は南に続いていて、静かな林の中の道である。
この山道を行くと、勝尾寺に下る分岐があった。勝尾寺は西国三十三所、二十三番目の札所という古刹である。立ち寄りたいという思いもあったが、また別の機会にする。このあたりからは大阪市街を望むことができた。
さらに行くと柵に囲まれた宝篋印塔があった。
 開成皇子の墓である。この皇子は京都に都を移した桓武天皇の子供なのだが、墓は鎌倉時代に作られたものである。勝尾寺を建立したのがこの開成皇子なのだが、寺を拡張するときにあわせてこの墓も造られたらしい。
皇族の陵墓は独特の形をして整備されているのだが、これも同じである。柵の中には入れない。このまま通りすぎたのだが、この墓の裏からはかなり近くまでいけることがわかった。薮を掻き分けて、宝塔のすぐ傍まで行って、写真を撮らせてもらった。
そのすぐ近くに四角い柵があって、その中に岩が置かれていた。これは岩座(いわくら)なのだろうか。
御陵のすぐ先に方位盤があった。そして、そばの木の枝に「最勝ヶ峰 540m」というプレートが下がっていた。ここは最勝ヶ峰の山頂だったのだ。

山の稜線の道を行くと、勝尾園地との分岐に着いた。勝尾寺には立ち寄かと再び悩んでしまうのだが、稜線からかなり下らなければいけないので止めた。
どんどん歩いて行くと、指導標には「政の茶屋」と書かれるようになった。箕面が近いことがわかる。
稜線の道が下りになって、陸橋を渡る。右には大きなダムが見えた。地図を見て「箕面川ダム」ということがわかった。
陸橋を渡って、右に少し下ると政の茶屋である。
いくつも茶屋が建っているのかと思ったら、そんなものはなくて、ただの広場になっていた。





 東海自然歩道起点から箕面駅へ
箕面ビジターセンター


こもれび展望所


雲隣展望台


箕面大滝


昆虫館


阪急箕面駅に向かう


石段を下りきったところに石柱が立っている。「東海自然歩道」と刻まれていて、下に赤い矢印が書かれていた。これが西の東海自然歩道の出発点なのである。
けっこう感動的である。
私が関西に引っ越してきたのは2年前のことで、その2002427日に最初のポンポン山のコースを歩いた。今、2年かけて、箕面から柘植までのコースを踏破したことになる。
30年前、私が初めて東海自然歩道を歩いた時も、この同じ区間を歩いて終了している。
歩くのは2度目ということになるのだが、30年以上もたっていると、すっかり記憶がなくなっていて、あの頃と同じ新鮮な気持ちで歩くことができた。
昔、摂津から箕面までの最後の区間を歩いたとき、箕面の出発点の指導標に落書きをしたことを覚えている。今なら、そんなことはしないのだが、あの頃は若かった。3年かけて、柘植から箕面の区間を歩いたと、指導標の板の裏に書いたのである。今は、その頃の指導標はなくなってしまっている。
今回、自然歩道を歩いていて、本当に朽ちてしまったボロボロの指導標をいくつか見た。その朽ち果てた指導標が、私が30年前に歩いたときのものである。
コースが変更になっているところもあった。そして、宅地造成とかの開発によって、すっかり景観が違ってしまっていたところも多かった。
歩いていても、前の記憶がまったくなくて、本当にこのコースを自分は歩いたんだろうかと思ったことも少なくない。
箕面のスタート点に立って、いろんなことを思ってしまった。

東海自然歩道西の起点に立ったところで、あとは阪急の箕面駅まで歩くだけなのだが、実はこの区間がけっこう長い。箕面国定公園の自然を楽しみながら散策することになる。
公園内は縦横に遊歩道が巡らされている。そのどのコースも楽しいのだが、一番短いコースを行くことにした。
自然観察センターに寄って見学し、それから「こもれ日の森コース」を行く。まず「こもれび展望台」に立ち寄ると東屋があったので、ここで少し休憩。
さらに遊歩道を行くと「雲隣展望台」があたので、この上に上ってみた。
さらに遊歩道を歩いて行くと猿に出会った。箕面は猿が多いのだ。
緩やかに下ると、赤い「大日橋」が見えてきて、その向こうには「箕面大滝」が見えた。私は滝が大好きなので、最後のこの絶景に感動してしまった。


こうして、私が関西にいる間に歩こうと思っていた自然歩道歩きは終わった。
残りの区間は、たぶんテントを背負っての旅になると思う。それこそ、江戸時代の道中記と同じものになりそうだ。


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