東海自然歩道 京都の道


このコースはひたすら木津川に沿って歩く道である。

JR月ヶ瀬口駅→高山ダム→夢絃峡→大河原大橋→恋志谷神社→飛鳥路→布目川甌穴群→笠置橋→JR笠置駅


 月ヶ瀬駅から木津川散策


加茂駅で乗り換える


月ヶ瀬口駅


高山ダムの上を通って木津川を渡る


夢絃峡の流れ


東海自然歩道の休憩施設

BACK 宇治から月ヶ瀬へ

2002年1223


今日は月ヶ瀬から笠置まで歩こうと思っている。
このコースを終えると、いよいよ奈良に入ることができるのだ。
前回、山渓のガイドブックの悪口を言ってしまったが、今回もついグチを言いたくなってしまう。このガイドは今年(2002年)の4月に買ったのだが、内容が古いのだ。月ヶ瀬から大河原のコースは1998年の風水害で通行止めになったとかで、その迂回路が紹介してある。4年前のことがまだ改訂されていない。実際歩いてみると、そんな風水害の障害なんてきれいさっぱりなくなっていて、本来のコースを歩くことができる。ガイドブックは情報である。古い情報を載せていてもどうしようもないと思うのだが。

月ヶ瀬口駅に着いたのは9時半であった。
乗ったのはJR関西線なのだが、この時間帯は1時間に1本しかなくて、加茂駅で40分ほども待たされたのだ。
駅を出て木津川に向かって下って行く。すぐに広い車道に出て、この車道を歩いて行くと笹瀬橋で木津川を渡る。この橋は工事をしていた。
あとはひたすらアスファルトの道を歩いて高山ダムをめざす。割尾坂を登って分岐で右に曲がり、下っていくとダムが見えてきた。
この高山ダムというのは全国でも珍しいアーチ重力式ダムなのだそうだ。このダムにせき止められたダム湖を月ヶ瀬湖という。この上流には有名な月ヶ瀬の梅園があるのだが、今は時節外で立ち寄らない。
このダムの堰堤を通って木津川を渡る。
自然歩道は木津川に沿って続いている。ガイドブックではダムを渡ったところから迂回路を紹介している。でも、私は本コースを行くことにした。道路標識に通行の表示はないし、車がやって来るのだから大丈夫だろうと思う。それに今回は念のために25千分の一の地図も持ってきているのだ。ダメだったら地図と磁石で道を探すつもりだ。
歩いて行くと、木津川がゆったりとした広い流れになって、その水は濃い緑色になった。このあたりが「夢絃峡」なのだ。この流れを見ながら歩いて行き、流れに沿って大きく左に曲がるところに発電所の取水口があった。ここで水が堰止められてて湖をつくっていたのだ。
この先、木津川は大きな石が転がる河原が現れ、その中を流れるようになる。川原の石はほどんど巨石である。
しばらく行くと自然歩道の休憩施設があった。ここにはコースガイドの看板が立っていて、このあと雄滝、雌滝があると書かれている。
私は、滝を見るのが大好きなので、期待して歩いて行ったのだが愕然としてしまった。道の左から滝が流れ落ちていたが、それはコンクリートの砂防ダムからのものだった。なんだこれは、と思ってしまった。雌滝も同じだった。(ところがこれは私の間違いで、木津川が狭まって急流となっているところを滝といっているのだ)
15分ほど行くと右に赤煉瓦造りの発電所が見えてきた。この建物はけっこう古くて文化財に指定されているのだそうだ。



 大河原大橋から石仏へ
十輪寺跡


恋志谷神社


埋橋

車道から山道に入る


すぐに大河原大橋が見えてきた。この橋は渡らずに左に道をとる。樹林の中の車道になった。
大河原集落に入ると、その左に由緒ありそうな十三重の石塔が見えた。これは十輪寺跡で、柳生ゆかりの寺なのだそうだ。墓石群があって、この中に柳生友矩の墓があるというのだが、どれなのかわからなかった。
ここから少し行くと恋志谷神社。石の鳥居をくぐると長めの石段がある。この上には鮮やかな朱に塗られた神社祠が立っていた。降りてきてからこの石段の手前から土足厳禁の表示があるんのに気づいた。…バチがあたるだろうか。
この恋志谷神社は後醍醐天皇のゆかりである。
「こいしや」という神社の名前は、後醍醐天皇を恋い慕ってやってきた愛妾のために建てられてからでだそうだ。
ここで自然歩道から離れて、この神社の正面の道を木津川に向かって下った。
来る時の列車から木津川にかかる埋橋をみつけたのでこれを見に行くことにしたのだ。
すぐに橋の袂に着いた。埋橋は川が増水したときは水の下に隠れてしまう橋である。このために欄干は設けていないので、車で渡るのは少し恐いだろうと思う。橋の向こうは国道163号線で、車がひっきりなしに走っていた。この橋をゆっくり見て、自然歩道に引き返した。
アスファルトの道があいかわらず続くが、このあたりになると車の通行もほとんどなくて、やっと自然歩道らしくなってきた。
車道から右の細い道に入り、杉林の中を行くと石仏があった。今回私の目指している笠置には笠置寺があって、これは修験道の寺である。その笠置寺の参道にあたるのか、木津川沿いの道には石仏が多いのだ。



 JR笠置駅へ
関西線の鉄橋が見えてきた


線路のすぐ横を行く


笠置橋が見えてきた


笠置駅

林を抜けると目の前に関西線の鉄橋は見えてきて、踏み切りの前に出た。
これを渡って木津川に沿って少し行くと集落に出る。ここで再び線路を渡って、山に向かって登っていくと飛鳥路の集落に入る。
山に囲まれた鄙びた感じの集落である。
これを抜けると布目川沿いの道になって、「甌穴群」という案内板が立っていた。布目川は岩板の上を流れているのだが、その岩にあいた穴が甌穴である。水の浸食作用によるものだろうが、それは河の流れに変化を与えて、美しい渓谷を作っている。
布目川が木津川と合流するところで、関西線の鉄橋の前に着いて、ここを左に曲がって線路の踏み切りに出る。
この踏み切りを越えると自然歩道は関西線の線路沿いの道になる。歩道のすぐ横を鉄道が走っているのである。昔のガイドブックに登載された写真ではSLが走っていた。そんな景色をもう一度見たいものである。
左は鉄道の線路、右は木津川の流れである。のんびりと歩いていく。
行く手に大きな橋が見えてきて、これが笠置橋。意外とあっけなく笠置に着いてしまった。
笠置の街に入る少し前に、列車が走る音を聞いた。
実はこれは、私が乗りたかった加茂方面に向かう列車で、駅に着いてから1時間ほど、次の便を待つことになった。
2002年の東海自然歩道歩きはこれで終了。ちょうどよい区切りになった、今回で京都府のコースは終わって、来年は奈良県の柳生街道を歩くことから始めることになる。


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