引き続きブナの稜線が続く。稜線は時々狭まったりするが快適な縦走路で、30分ほどで大界木山(だいかいぎやま)に着いた。残念ながら、ここも樹林の中で展望はない。
日のさす明るい尾根歩きが45分ほど続く。最後に木の階段を登るとモロクボ沢の頭である。ここも樹林に囲まれていて展望はない。
東海自然歩道の丹沢コースにある休憩施設は木のテーブルだけで、ベンチがないのが一般的なようだ。でも、テーブルの丈は低いので、ベンチも兼ねているのだ。
私は靴を脱いでテーブルに上がり込んで休憩する。重いザックを担いでの縦走は足への負担が大きくて、休憩のときは靴を脱がないとどうしようもないのだ。
モロクボ沢の頭は東海自然歩道の分岐でもある。このまま稜線をたどると加入道山・大室山に至ることができる。私は自然歩道のルートを外れても、できるだけ山頂を踏みたいと思っているのだが、これらの山はすでに登っている。ここからは自然歩道のルートを忠実にたどることにして畦ヶ丸(あぜがまる)に向かった。
すぐに急な下りで、これを20分ほど行き、最後に鎖にすがって登ると避難小屋の前に着く。避難小屋はあまり大きくないのだが、中はこざっぱりしている。直前に休憩したモロクボ沢の頭から30分も歩いていないのだが、ここでも休憩してしまった。東海自然歩道を身延線井出駅から歩き始めて今日で9日目、疲れが溜まってきているのだ。
避難小屋でも自然歩道の道は分かれる。南に下ると一軒家避難小屋経由で箒沢に降り着くことができる。このルートが自然歩道の正規コースなのだが、私はここから北東に向かい畦ヶ丸山頂を踏んで「善六のタワ」経由で西丹沢自然教室に下るコースを歩くことにした。箒沢から西丹沢自然教室への道は舗装道で、これを歩くのがイヤなのだ。
避難小屋の分岐から5分ほど行くと、丸太の急な階段が立ちふさがる。これを登りきると畦ヶ丸山頂であった。
山頂には三等三角点があって、ケルンのような「白石峠補修記念碑」があった。
山頂は樹林に囲まれているので、展望はない…と思ったのだが、樹林の間に富士山を見ることができた。丹沢の山からは富士山を眺めることができるからうれしいのだ。
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