BACK 桧峠から稚児橋へ
2009年4月6日
夜はすごく寒かった。東北・北海道でもあるまいし、4月だというのにどうしてこんなに寒いんだと思ってしまう。もっと温かいシュラフを持ってくるべきだった。
朝、歯磨きをしようと思ってトイレに行ったら、ここには洗面台がなかった。トイレは水洗なのだが、飲料の水はないということらしい。
出発は7時10分。山際の道を歩いて行く。右手には田んぼが広がっていて、10分ほどのんびり歩いて行くと、きれいな菜の花畑があった。夜は寒いけれど、春なのだ。
すぐに車道に出て中平橋に着いた。ここからは2kmほど車道歩きをするのだ。
集落の中を歩いて行くと秋葉神社の大きな石灯籠がたっていて、寺前橋を渡るとバス停がある。集落を過ぎて田んぼの中に続く車道を歩いき、再び集落に入ると右に指導標がたっていた。鉄棒につけられた新しい型の指導標で、つい見逃してしまうところであった。
民家と畑の間の道を行くと、すぐに畑のあぜ道になって、林に入って行く。この先、丘陵を越えなければいけないのだ。
自然林の中を緩やかに登って行く。朝日があたって木々がきれいである。ピークを過ぎて緩やかに下ってれところに休憩ベンチがあった。少し行くと神社があって、そのすぐ先で車道に飛び出した。
車道を少し行くと自然歩道は車道を離れて、右に下って行く。下に広がっているのが白岩の里である。集落の中の道を歩いて行くと、農作業をしていたおばさんに「早いね」と声をかけられた。
小川を渡って緩やかに上って行き、集落の外れでもう一度橋を渡って段々畑のあぜ道に入る。すぐに樹林の中の急な登りになった。このまま岩巣山に向かって登って行くのかと思ったのだが、砂防ダムの堰堤を越えた先で舗装道に出てしまった。
指導標に従って右に歩いて行くと、すぐに自然歩道の案内板が見えてきた。岩谷堂まで3.8km・1時間40分という指導標がたっている。案内板のイラストマップを見ると、自然歩道は岩巣山山頂を通ることなく、山腹の東側を迂回して岩谷堂に至るのだった。でも、途中から岩巣山山頂へ向かう道が分岐するので、できたら登りたいと思っている。持ってきた昔のガイドブック(昭和48年)を見たら、岩巣山山頂を通るようになっていた。コースが変わったらしい。
案内板のたつ分岐から右の山道に入る。初めは林道のような広い道であったが、しだいに細い山道になって、緩やかに下って小さな沢を徒渉する。その先は沢に沿って登って行くのだ。鬱蒼とした樹林の中を行き、けっこう大きな砂防ダムを越える。沢に沿った登りが続き、何度か徒渉する。沢は小さな滝をつくっていたりして、けっこうきれいな流れであった。
沢から離れて尾根を行くようになると、送電線の鉄塔の下を通る。そこから少し行くとベンチがあって、この先、道は右に下って行く。ベンチで休憩しながら地図やガイドブックをよく読んでみたが、岩巣山の分岐はこのあたりにあるような気がする。ベンチから尾根沿いに登って行く踏み跡があるので登ってみた。すぐに白い露岩の上に出て、すばらしい展望が広がっていた。さっき、通過した鉄塔がたっていて、左のなだらかな山にも鉄塔がたって送電線が伸びている。(あとで登山ガイドブックを見たら、鉄塔の少し右のピークが岩巣山山頂であった。そして、私が通過してきた鉄塔のたつピークが標高499mの最高点でだったのだ。でも、これはすべて家に帰ってからわかったことである。)
ベンチのある尾根から急な階段を下って、傾斜が緩まると小さな木橋を渡り、沢沿いの道を行く。疎林の下に笹原が広がる明るい道を歩き、ベンチが置かれた休憩所に着く。
ここから10分ほど下るとT字路に出て、左が瀬戸大滝となっていた。滝が大好きな私としては是非寄りたいのだが、往復40分ほどかかるので止めにした。
ここからは広いしっかりした遊歩道で、すぐに展望台に着いた。ここに岩巣山の標識がたっていた。ここが岩巣山山頂なのかと思ったが、そんなはずがない。でも、この標識の前で記念写真を撮ったら、まるで山頂にいるようであった。展望台はすごく新しくて、見える景色の案内板もある。遠くに見える市街地は名古屋であった。なんか岩巣山山頂に登ったような気分になってしまった。
展望台から急な道を下ると、すさまじい巨岩が聳え立っている。この巨岩の間を階段でジグザグに下って行くのだ。
15分ほど下ると、下に赤いトタン屋根が見えてきて、神社の横に降り立った。赤い屋根は社務所で、御堂は毘沙門堂であった。御堂の正面から石段を下って、樹林の中の広場に着く。そこにはすさまじく大きな岩屋があった。なぜか岩屋には太い鎖が巻かれて、がんじがらめに縛っているように見える。背をかがめて岩屋の中に入ってみると、たくさんの石仏が並んでいた。正面に鎮座するのは薬壺を持った薬師如来像であった。岩谷堂の薬師如来は行基が刻んだという伝説があって、眼と耳の病気の御利益があるという。でも、ここに置かれた薬師仏はずいぶん新しいもののように見える。本物は盗まれないようにどこかに保管してあるのかもしれない。
この広場の奥には暁明ヶ滝があるというので見に行った。断崖から一直線に流れ落ちる滝であった。
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