東海自然歩道 愛知の道
いわこややま

標高 799m
福田寺→小松口→池葉守護神社→水場のある休憩所→和市→十三曲→堤石峠→岩古谷山(泊)→本当の岩古谷山山頂

岩古谷山は愛知県の東部に位置する険しい岩山で、東海自然歩道の三大難所のひとつになっているのだ。和市から急な登りが続くのだが、堤石峠の先はすさまじい岩場の登りになった。山頂広場にテントを張ったのだが、翌朝歩き始めてすぐに本当の山頂があった。



 福田寺から池葉守護神社へ
境内の自然歩道入口


小松口バス停


中熊バス停


池葉守護神社に着く

BACK 段戸湖から福田寺へ

2009年4月1日

福田寺から階段道を登って舗装された林道に出る。あとは林道を指導標に従って歩いて行くのだが、生活道が交差していて、指導標がないと迷ってしまう。

林から抜け出すと学校が見えて、集落を抜けるとようやく山道に入った。
杉林の中の道で、杉の落ち葉が積もっている。小さな沢を何度か渡るのだが、かかっている橋はかなり古いもので、通行止めの標識のある橋もあった。
沢の流れが大きくなって、これを渡ると目の前に壁のような斜面が立ちふさがる。この斜面を斜めに登ると国道257号線にでた。少し国道を行くと「小松口」バス停があって、道は大きく左にカーブする。このカーブで右に入る細い舗装道があって、自然歩道はこれを行くのだ。けっこう傾斜のある道なのだが、なぜか標高440m地点という大きな標識があった。
集落の中を歩いて行くと茶畑が広がり、紅い梅の花が咲いていたりして、美しい里の風景である。行く手にはこんもりとした山が聳えているのだが、地図で確認すると標高
912mの鹿島山のようである。自然歩道はこの山の南を巻くようにして続いているのだ。
中熊のバス停には字路で東海自然歩道の案内板がたっていた。ここで左折すると大通寺に行けるようなのだが、立ち寄ることなく右の本コースを進んだ。カーブを繰り返す登りが続いていて、かなり疲れているのだ。
この先で舗装道から離れて、鬱蒼とした杉林の山道になった。急な登りは続いて、丸太の階段道を登って行く。15分ほど登ると舗装された林道に出た。これは鹿島山の中腹を半円を描いて続く道なのだ。あとはこの平坦な林道を歩いて行くだけだが、杉林の中で視界はまったくない。
20分ほど歩くと左に古い鳥居があった。これが池葉守護神社である。石段を上って境内に着くと、本殿の横に杉の巨木が聳えていた。私は巨木が好きなのだ。
林道に戻ると、自然歩道は林道を横切ってそのまま真っ直ぐに下って行くのだ。すごい急斜面を下るとベンチの置かれた休憩所があった。そこは水場になっていて、巨岩の間から清水が流れ出ている。この冷たい水を飲んで一服した。
もう13時を過ぎている。



 岩古谷山登山
作業林道を横切る


和市の集落に着いた


十三曲の標識があった


鞍部から鉄梯子を登る


鉄階段を登る


岩古谷山山頂


休憩所からも杉林の中の急下降が続く。私の持ってきた古いガイドブックには、「この当たりは沢ガニがたくさんいて、足を降ろすのに苦労するくらい」と書かれているのだが、カニを見ることは一度もなかった。

一度作業林道を横切るのだが、そこからすさまじい岩峰を見ることができた。これがどうも岩古谷山のようである。
作業林道からさらにジグザグに設けられた急な階段を下って民家の横に出る。そこには和市バス停まで400mという指導標があった。ここが和市の集落なのだ。指導標には岩古谷山までは1.5km60分とも書かれていて、意外と近いので喜んでしまった。
梅畑の中の山道に入る。杉林になるとすぐに自然歩道の古いトイレがあった。舗装された林道を横切ると本格的な登りが始まる。
杉林の中、真っ直ぐで急な階段道が続いている。これを10分ほど登って、沢を渡ると「十三曲」の標識があった。その名前の通り、ジグザグに急斜面を登って行くのだ。急な階段道を息を切らせて登って、ようやくベンチの置かれた平坦地に着く。ここが堤石峠で、説明板には「この峠は田口と奥の黒倉集落を結ぶ唯一の街道で、峠を境に上り下りとも13づつの曲がりがあり、古くから十三曲がりと呼ばれていました。」と書かれていた。堤石峠で尾根に登り着いたのだが、ここで右折して急な尾根を登って行かなければいけない。峠の指導標には岩古谷山600m30分と書かれていた。
赤い字で「この先歩行注意」と書かれた標識をみて、急な尾根を登って行く。急階段を上って、木の根が張り出す道を行くと樹林から抜け出した。行く手にはすさまじい断崖が見えた。
東海自然歩道はファミリーハイキングコースだと思っていたのに、それにあるまじき険しい山である。まず鞍部に向かって急な階段を下る。うそだろうと叫びたくなるような急な丸太を組んだ階段で、手すりもつけられているのだが、目がくらみそうだ。

鞍部からは長い鉄のハシゴを登る。巨大なスラブが垂直にそそり立っていて、これをハシゴで登って行くのだ。
鉄ハシゴの次は桟の登りになる。でも、渡された丸太はかなり朽ちていて、つけられた手すりも赤いさびが浮き出ている。かなり怖い。私のガイドブックには、このコースは丹沢や鈴鹿と並ぶ自然歩道の三難所と書かれているのだが、それが真実であると納得した。
桟は絶壁にジグザグに続いていて、これを慎重に登って行く。足が震える登りが続くのだが、時々視界が開けるとすばらしい展望である。行く手に聳える岩古谷山とその奥に鞍掛山が見える。振り返って見下ろすと和市の集落が箱庭のように見える。
桟の道が終わったと思ったら、今度は岩を刻んで階段状にしたスラブの登りになった。ロープの手すりがつけられているが、これもかなり怖い。
一旦樹林に入ってから緩やかに下って、大きな岩の横を桟で越えると、痩せた岩尾根になった。岩尾根の突き当たりは大きな露岩の展望台になっていた。もちろん下は断崖絶壁である。ロープで柵が設けられていて、ここからの展望はすばらしい。
自然歩道に戻って、樹林の中を少し行くと簡易トイレがあって、そのすぐ先が岩古谷山の山頂であった。山頂は広場になっているので、ここにテントを張ることにした。15時少し前であった。今日は、早くテントに落ち着くことができた。



 本当の岩古谷山山頂
山頂からの下山口


ここが本当の山頂らしい

2009
42

テントの中はすごく寒くて、一晩中ふるえていた。岩古谷山の標高は799mなのだが、やっぱり山の上は寒いのだ。それに風も強くて、びゅうびゅうという音がうるさいくらいであった。でも、夜中に外に出てみたら月が出ていた。

6時過ぎに起きて、お湯を沸かしてポッドに詰め、残ったお湯でスープをつくって飲む。これが私のいつもの朝食である。
テントを撤収しようとしたら風が強くて、なかなかたたむことができなかった。パッキングを終えたのは75分。
山頂から痩せた岩尾根を行くと、右に巨岩があって、そこに手すりがつけられた階段がある。岩を削って階段にしているのだ。これを登って露岩の上に出ると、岩古谷山の標識があった。ここが本当の山頂のようである。


NEXT 鞍掛山

BACK 愛知県の山

BACK 東海自然歩道 愛知の道





総合TOP My日本の山  My日本の道  日本の旅  自己紹介
















inserted by FC2 system