私は四国・秩父の札所めぐりをしたのだが、これはすべて歩いてまわった。
この坂東の札所めぐりもそうしようと思っていたのだが、これは断念するしかなかった。
坂東の札所めぐりの総延長距離は1300kmで、四国遍路より200kmほど短いらしい。でも、四国遍路のお寺が八十八あるのに対して、坂東は三十三だけである。札所間の距離がものすごく長いのだ。さらに、坂東の札所は首都圏にあって、歩こうと思ってもほとんどが舗装道で、しかも車が激しく行き交う道である。これでは歩く楽しみなどまったくない。それに、首都圏ではテントを背負って野営しながら巡礼することはできない。歩くにしても、巨額の宿泊費を覚悟しなければいけない。
あれやこれやで、歩いての巡礼はあきらめるしかなかった。
仕方がないので、首都圏はJRなどの交通機関を使い、栃木県と千葉県は車を使うことにした。
せめても…ということで、最寄の駅からは、バスなど使わず必ず歩くことにした。
また、栃木県は「関東ふれあいの道」とコースが重なるので、関東ふれあいの道とあわせて参拝した。
さて、坂東三十三ヶ所はどんな順番でまわってもいいらしのだが、一番札所の鎌倉・杉本寺だけは最初に参拝しなければいけないのだ。
まず、鎌倉から歩きはじめることにする。