BACK 八番札所 星谷寺
2011年5月20日
次に向かうのは9番札所の慈光寺である。
星谷寺からは、けっこう遠い。小田急線座間駅から町田へ行って、ここでJRに乗り換えて八王子へ、八王子からは八高線で高麗川、ここでさらに乗り換えてようやく明覚である。電車に乗っている時間だけで2時間ほどもかかるのだ。
明覚駅から札所の慈光寺までも遠い。駅から慈光寺までは6kmほどあって、歩くと1時間半ほどかかる。でも、もちろん歩くつもりである。
明覚駅に着いたのは13時35分。明覚駅は木のロッジ風で趣きがある駅舎である。駅前広場にはバスターミナルがあって、バスの時刻をみたら慈光寺行きは1時間に1本の頻度であった。乗る気はないのだが、ちょうど出発した後であった。
駅からはひたすら西に向かって歩いて行く。駅から5分ほど歩くと県道30号線との大きな交叉点が見えてきて、ここにはときがわ町のりっぱな第二庁舎がそびえていた。
慈光寺へはこの交叉点を直進する。指導標識には慈光寺まで6kmと書かれていた。車道の横に設けられた歩道を歩いて行く。山がだいぶ迫ってくると「都幾川四季彩館」の案内板があった。温泉施設で、寄って行きたいという誘惑にかられるのだが、それを振り切って先に進む。
道はきれいに整備されていて、歩きやすい。「彩の国ロードサポート」という看板があって、それによるとこの道は都幾川中学校が清掃美化してくれているらしい。感謝です。
右に「三波渓谷入口」の標識があった。これも寄ってみたいのだが断念して先に進むと、大きな橋を渡った。橋からは三波渓谷を見下ろすことができた。
橋から15分ほど歩くと、ようやく慈光寺入口のバス停に着いた。木造の、立派なトイレもあるバス停であった。13時30分になっていた。
このバス停から慈光寺までは、さらに長い道を歩かなければいけない。県道を離れて、集落の間の細い道を行く。ようやく巡礼道らしくなってきた。
すぐに、道の左に小さなお堂が見えてきた。「女人堂」であった。慈光寺もかっては女人禁制の寺だったのだ。
10分ほど行くと、右に細い山道が分岐する。入口には参道入口と刻まれた石標がたっていた。これが慈光寺への道である。この入口には野花がすばらしく美しく咲き誇っていた。(あとで知ったのだが、シャガの花というのだった。)
山道は、曲がりくねって続く車道を串刺しにするように真っ直ぐに登ってゆく。
10分ほど山道を歩き、車道に飛び出すと、そこに古い板碑が並んでいた。これは鎌倉時代から室町時代に造られた「青石塔婆」なのだ。じっくりと写真撮影をしてしまった。
再び山道に入って、緩やかに上って行く。所々に石仏が置かれた静かな山道である。左に、茶店のような建物がみえると、そこに「星の井」「塔の井」の指導標があった。もちろん、寄ってみた。確かに井戸があった。
このすぐ先に、赤い幟がたつ慈光寺の入口があった。
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